第100回午後問題88
2型糖尿病の患者の胃全摘術後における管理で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 血糖値が安定するまでは、2~6時間ごとに血糖を測定する。
- 1日1回ドレーンの排液の糖濃度を測定する。
- 創の発赤を認めたら創感染を疑う。
- 術後2日目に腸蠕動の低下を認めたら腸閉塞を疑う。
- 排ガスが認められた日から全粥食(1,600kcal)摂取が可能になる。
正解 1,3
- 血糖値が安定するまでは、2~6時間ごとに血糖を測定する。
- 胃切除術の合併症にダンピング症候群がある。摂取した食物が急速に小腸に送り込まれることによって発症し、食後30分以内に起こる早期ダンピング症候群と食後2~3時間で起こる後期ダンピング症候群とがある。後期ダンピング症候群では、インシュリンが過剰に分泌されることによって、低血糖症状が生じる。そのため、血糖値が安定するまでは、2~6時間ごとに血糖を測定する。
- 1日1回ドレーンの排液の糖濃度を測定する。
- ドレーン排液の性状や量、においを観察する。
- 創の発赤を認めたら創感染を疑う。
- 創部の発赤がみられる場合は、創感染を疑う。
- 術後2日目に腸蠕動の低下を認めたら腸閉塞を疑う。
- 術後は一時的に消化管蠕動は低下する。術後2日目の腸蠕動の低下は、生理的腸管麻痺の範囲内である。
- 排ガスが認められた日から全粥食(1,600kcal)摂取が可能になる。
- 縫合不全の有無や吻合部の状態をした後に食事を開始する。流動食から開始し、三分粥・五分粥・七分粥・全粥と進めていく。