第100回午後問題100

次の文を読み100~102の問いに答えよ。
Aさん(74歳、男性)は、強い下腹部痛のため救急車で搬入された。Aさんは顔面蒼白で、冷汗をかき、腹部を押さえている。一緒に来た妻は、「夫はいつも尿が出にくい。夜は、3回はトイレに行くのに、昨夜は行かなかった。今朝もポタポタとしか出なかった。便秘はしていない」と話した。Aさんは4年前に脳梗塞になり、重い構音障害があるが、理解力に問題はなく、身の回りのことは全部自分でできている。搬入時のAさんは、看護師と視線を合わせることができ、問いかけにはうなずきで答えている。

Aさんは、治療後、自力排尿が可能となったが、トイレまで間に合わずに少量の尿失禁を繰り返している。Aさんはトイレで排尿することを強く希望している。Aさんへの看護師の対応として最も適切なのはどれか。

  1. トイレに近い病室に移動する。
  2. 水分の摂取を控えるよう説明する。
  3. できるだけ尿意を我慢するように言う。
  4. 尿意はなくても、4時間ごとにトイレに行くよう勧める。

正解 1

  1. トイレに近い病室に移動する。
    • 「トイレまで間に合わず」とあることから、切迫性尿失禁が考えられる。尿意を我慢する膀胱訓練や時間ごとの排尿が尿失禁防止に効果的な場合もあるが、この場合最も適切なのはトイレに近い病室に移動することである。なお、高齢者の水分制限は脱水症につながる可能性があるため、適切ではない。
  2. 水分の摂取を控えるよう説明する。
  3. できるだけ尿意を我慢するように言う。
  4. 尿意はなくても、4時間ごとにトイレに行くよう勧める。
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