第100回午後問題117
次の文を読み115~117の問いに答えよ。
Aさん(47歳、男性)は、統合失調症で20年間精神科病院に入院している。父親はすでに亡くなっており、80歳になる母親は病気がちのため、面会は年に1回程度である。Aさんは看護師の声かけに応じて、月に1回の病棟レクリエーションや週に2回の作業療法に参加している。それ以外の時間はほとんど病室のベッド上で寝て過ごしている。発病以来、薬物治療を続けており、時々飲み忘れることはあるが、ほぼ自己管理できている。病状は安定していることから、退院の話が出るようになった。
Aさんは、これまで1人暮らしの経験はなく、自宅への退院を希望している。母親は電話で、「帰ってくるのはいいけれど、自分も体がつらくて、息子の世話までできない。日中、息子が出掛ける場所があるとよいのですが」と話している。Aさんに勧める社会資源として適しているのはどれか。2つ選べ。
- 福祉ホーム
- 精神科デイケア
- ショートステイ
- ホームヘルプサービス
- 公共職業安定所(ハローワーク)
正解 2,4
- 福祉ホーム
- 福祉ホームとは、住居を求めている障害者に対して、居室その他の設備を提供し、日常生活に必要な便宜を供与する施設である。
- 精神科デイケア
- 精神科デイケアは、日常生活の自立を助けるためのリハビリテーションを行う通所施設である。「日中、息子が出掛ける場所があるとよい」と母親が語っており、適している。
- ショートステイ
- ショートステイとは、一時的に在宅介護が困難な場合に、短期間入所して日常生活全般の養育・介護を受けることができるサービスである。
- ホームヘルプサービス
- ホームヘルプサービスは、ホームヘルパーが家庭を訪問して、身体介護や生活援助を行うサービスである。「息子の世話までできない」と母親が語っているので、家事サービスを受けると良い。
- 公共職業安定所(ハローワーク)
- 公共職業安定所は、職業紹介や職業相談、失業給付などを行う公的機関である。