第100回午前問題95
次の文を読み94~96の問いに答えよ。
Aさん(78歳、男性)は、76歳の妻と娘の3人で暮らしている。Aさんは、大腸癌と診断され、手術を受けてストーマを造設した。その後、再発し、治療を行ったが効果がなく、在宅で緩和ケアを行うことになった。Aさんは腹部の癌性疼痛を訴え、オキシコドン塩酸塩徐放錠を1日2回内服している。Aさんは食べたいときに食べたいものを少量ずつ食べているが、摂取量が減少してきている。妻は腰痛があり、娘は日中、仕事に出ている。
退院後、Aさんは痛みが強くなってきた。外来でオキシコドン塩酸塩徐放錠が増量されていた。その後、全身状態が悪化し傾眠傾向がみられるようになった。そのため、確実に疼痛がコントロールできるよう、フェンタニル貼付剤に切り替えることになった。AさんのADLは低下しており、介護している妻は腰痛の増強を訴え始めている。訪問看護師による家族への指導で適切なのはどれか。
- フェンタニル貼付剤は痛みのある部位に貼る。
- フェンタニル貼付剤は痛みが出始めたら交換する。
- 残ったオキシコドン塩酸塩徐放錠は医療機関に返却する。
- 妻の腰痛の緩和のためにフェンタニル貼付剤を使用してもよい。
正解 3
- フェンタニル貼付剤は痛みのある部位に貼る。
- フェンタニル貼付剤は経皮的に吸収され、全身に作用するので、痛みのある部位に貼る必要はない。
- フェンタニル貼付剤は痛みが出始めたら交換する。
- フェンタニル貼付剤は72時間ごとに貼り替える。
- 残ったオキシコドン塩酸塩徐放錠は医療機関に返却する。
- オキシコドン塩酸塩徐放錠は麻薬である。不要になった場合は、医療機関に返却する。
- 妻の腰痛の緩和のためにフェンタニル貼付剤を使用してもよい。
- 処方された本人以外は使用しない。