第100回午前問題96
次の文を読み94~96の問いに答えよ。
Aさん(78歳、男性)は、76歳の妻と娘の3人で暮らしている。Aさんは、大腸癌と診断され、手術を受けてストーマを造設した。その後、再発し、治療を行ったが効果がなく、在宅で緩和ケアを行うことになった。Aさんは腹部の癌性疼痛を訴え、オキシコドン塩酸塩徐放錠を1日2回内服している。Aさんは食べたいときに食べたいものを少量ずつ食べているが、摂取量が減少してきている。妻は腰痛があり、娘は日中、仕事に出ている。
Aさんの傾眠傾向が強まり、時々無呼吸がみられるようになった。食事や水分の摂取量は少ないが、疼痛を訴えることはない。妻は「できればこのまま自宅でみていきたい」と話している。自宅で看取るための体制として必要なのはどれか。
- 見舞い客の制限
- 訪問診療の導入
- 娘の介護休暇の取得
- 高カロリー輸液の開始
- 家族による24時間の観察
正解 2
- 見舞い客の制限
- 見舞い客を制限するかどうかは、本人の意向を尊重しつつ、家族が決定すればよい。
- 訪問診療の導入
- 通院は負担が大きいため、訪問診療の導入が必要となる。
- 娘の介護休暇の取得
- 妻の介護負担が増加するようならば必要であるが、現時点で休暇の取得を急ぐ必要はない。
- 高カロリー輸液の開始
- 食事や水分の摂取量は少ないが、高カロリー輸液は必要ない。
- 家族による24時間の観察
- 家族の負担を考えると適切でない。