第101回午後問題98

次の文を読み97~99の問いに答えよ。
Aさん(59歳、女性)は、午前2時ころにバットで殴られたような激しい頭痛を自覚し、嘔吐した。午前4時、Aさんは、頭痛を我慢できなくなったために、家族に付き添われて救急搬送され、緊急入院した。入院時、ジャパン・コーマ・スケール(JCS)I-1、四肢の麻痺を認めない。

Aさんは、入院後に緊急開頭術を受けることになった。手術を受けるまでの看護で適切なのはどれか。

  1. 浣腸を行う。
  2. 排痰法の練習を勧める。
  3. テタニー徴候を観察する。
  4. 不整脈の出現に注意する。

正解 4

  1. 浣腸を行う。
    • 血圧や脳圧が上昇し、再出血の危険性があるため、急性期での浣腸は禁忌である。
  2. 排痰法の練習を勧める。
    • 体位排痰法(体位ドレナージ)は、痰が貯留している部位が高くなるように体位をとり、痰を重力により気管支末梢から中枢方向へ排出させる方法である。体位変換により脳圧へ影響する可能性がある場合は禁忌である。
  3. テタニー徴候を観察する。
    • テタニーは、血液中のカルシウム濃度低下によってに起こる筋肉の痙攣状態をいい、副甲状腺機能低下症などでみられる。くも膜下出血では、項部硬直、ケルニッヒ徴候、ブルジンスキー徴候などの髄膜刺激症状がみられる。
  4. 不整脈の出現に注意する。
    • くも膜下出血では、不整脈が出現することが多い。カテコールアミンの過剰放出によるものとされている。
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