第101回午後問題114
次の文を読み112~114の問いに答えよ。
Aさん(35歳、経産婦)は、妊娠中に妊娠糖尿病と診断され、食事療法を行っていた。Aさんは、妊娠39週3日に3,500gの児を自然分娩した。分娩の所要時間は2時間45分、出血量は450ml、第1度会陰裂傷のため縫合術を受けた。児のApgar(アプガー)スコアは1分後8点、5分後9点であった。
産褥4日。Aさんの血糖は、食前80mg/dlで、食後2時間には110mg/dlであった。児には2時間ごとに母乳を与えており、退院後も母乳育児を希望している。看護師はAさんから「これからはどのように血糖コントロールをしていくことになりますか」と質問された。Aさんへの説明で適切なのはどれか。
- 自己血糖測定を生涯継続していく必要がある。
- インスリンによる血糖コントロールが必要になる。
- 産後6週ころにブドウ糖負荷試験を受ける必要がある。
- 必要エネルギー量は非妊時と同等である。
正解 3
- 自己血糖測定を生涯継続していく必要がある。
- 妊娠糖尿病であるので、自己血糖測定を生涯継続していく必要はない。ただし、妊娠糖尿病の既往歴がある場合は、糖尿病発症のリスクが高いため、定期的な血糖測定や検診が必要である。
- インスリンによる血糖コントロールが必要になる。
- 空腹時血糖値、食後2時間血糖値ともに正常である。出産後は、インスリンによる血糖コントロールは必要ない。
- 産後6週ころにブドウ糖負荷試験を受ける必要がある。
- 産後6~12週後にブドウ糖負荷試験を受け、病型の分類を行う。
- 必要エネルギー量は非妊時と同等である。
- 授乳婦のエネルギー付加量は、350kcal/日である。