第102回午後問題111
次の文を読み109~111の問いに答えよ。
Aさん(85歳、男性)は、5年前に発症した右脳梗塞の後遺症のため、左半身麻痺がある。現在、療養病床に入院中である。右膝関節の軽度拘縮のため、ベッド上で過ごすことが多く、自力で体位変換をすることができない。全身の発汗が多く、便失禁と尿失禁とがあり、1日5回以上のオムツ交換を行っている。仙骨部に褥瘡を認め、創底の直径は5cm、創面は黄色、皮下脂肪組織までの欠損がある。毎日1回の褥瘡処置を行っている。現在のAさんは身長162cm、体重48kgである。
肛門周囲の皮膚は湿潤しており暗赤色であった。看護師の対応で適切なのはどれか。
- 殿部をアルカリ性石鹸で洗浄する。
- 肛門周囲の皮膚に保護オイルを塗布する。
- 肛門周囲の皮膚をマッサージする。
- ベッドにウレタンマットレスを敷く。
正解 2
- 殿部をアルカリ性石鹸で洗浄する。
- 洗浄する場合は、弱酸性石鹸を使用する。
- 肛門周囲の皮膚に保護オイルを塗布する。
- 自力で体位変換をすることができない上に、発汗が多く、肛門周囲の通気性はよくない。さらに便失禁と尿失禁による刺激があるため、肛門周囲の皮膚が湿潤して炎症を起こしている。皮膚の暗赤色は炎症初期の状態である。炎症を悪化させないため、肛門周囲の皮膚に保護オイルを塗布する。
- 肛門周囲の皮膚をマッサージする。
- マッサージによって皮膚に刺激を与えてしまうので、適切ではない。
- ベッドにウレタンマットレスを敷く。
- ウレタンマットレスの使用は、体圧分散によって褥瘡の予防・改善になるが、皮膚炎症の改善にはならない。