第102回午前問題49

甲状腺癌のために甲状腺全摘術と頸部リンパ節郭清術とを受けた患者の術後管理で正しいのはどれか。

  1. 甲状腺クリーゼの観察をする。
  2. 嗄声のある間は経口摂取を禁止する。
  3. ドレーンからの乳び漏の有無を観察する。
  4. テタニーが生じた場合は副甲状腺ホルモンを補充する。

正解 3

  1. 甲状腺クリーゼの観察をする。
    • 甲状腺クリーゼは、感染症などがきっかけで甲状腺機能亢進症が極めて重症になり、高熱・意識障害などを伴うものである。甲状腺機能亢進症の術後では甲状腺クリーゼに注意する。
  2. 嗄声のある間は経口摂取を禁止する。
    • 術後の反回神経麻痺によって嗄声がみられる。多くは一過性のため、経口摂取を禁止する必要はなく、嚥下障害に注意して食事を進める。
  3. ドレーンからの乳び漏の有無を観察する。
    • リンパ節郭清を広範囲に行った場合、合併症として乳び漏(白色のリンパ液の漏出)を起こすことがある。
  4. テタニーが生じた場合は副甲状腺ホルモンを補充する。
    • テタニーは低カルシウム血症によるものなので、カルシウムを補充する。
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