第103回午前問題116
次の文を読み115~117の問いに答えよ。
Aさん(58歳、男性)は、3年前に直腸癌と診断され、手術を受けてストーマを造設した。その後Aさんは直腸癌を再発し、治療を行ったが効果がなく、腹部の癌性疼痛を訴えたため、疼痛をコントロールする目的で入院していた。 Aさんは「自宅で療養したい。痛みは取り除いてほしいが、延命治療は望まない」と在宅療養を希望した。現在、Aさんはオキシコドン塩酸塩を1日2回内服し、食事は食べたいものを少量ずつ食べているが、摂取量が減少している。Aさんの家族は56歳の妻と他県で仕事をしている長女である。
退院後、Aさんは痛みが強くなってきた。医師はオキシコドン塩酸塩を増量したが、Aさんは眠気が強くなり「薬を飲みたくない」と訴えた。そのため、フェンタニル貼付剤に切り替え、レスキューとしてモルヒネ塩酸塩が処方された。訪問看護師によるAさんの家族への指導で適切なのはどれか。
- 保管用の金庫を準備する。
- フェンタニル貼付剤は痛みのある部位に貼る。
- フェンタニル貼付剤は痛みが出始めたら交換する。
- 残ったオキシコドン塩酸塩は医療機関に返却する。
正解 4
- 保管用の金庫を準備する。
- 在宅では金庫に保管する必要はない。
- フェンタニル貼付剤は痛みのある部位に貼る。
- フェンタニル貼付剤は経皮的に吸収され、全身に作用するので、痛みのある部位に貼る必要はない。胸部、腹部、上腕部、大腿部など貼りやすい部位に貼り、毎回貼付部位を変える。
- フェンタニル貼付剤は痛みが出始めたら交換する。
- フェンタニル貼付剤は約72時間ごとに貼り替える。
- 残ったオキシコドン塩酸塩は医療機関に返却する。
- オキシコドン塩酸塩は麻薬である。不要になった場合は、医療機関に返却する。