第103回午後問題48
Aさん(56歳、男性)は、進行結腸癌の術後に両側の多発肺転移が進行し、終末期で在宅療養中であったが呼吸困難が増悪したため入院した。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は95%であるが、安静時でも呼吸困難を訴え、浅い頻呼吸となっている。発熱はなく、咳嗽はあるが肺炎の併発はない。Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
- 仰臥位を保つ。
- 酸素投与は行わない。
- モルヒネ塩酸塩の投与を検討する。
- 安静を保つため訪室は最低限とする。
正解 3
- 仰臥位を保つ。
- 呼吸困難があるため、起坐位やファウラー位にする。
- 酸素投与は行わない。
- SpO2が低下し、呼吸困難があるため、酸素投与が必要である。
- モルヒネ塩酸塩の投与を検討する。
- 安静時でも呼吸困難を訴え、浅い頻呼吸となっており、モルヒネ塩酸塩の投与を検討する。モルヒネは疼痛コントロール以外に呼吸困難にも有効である。
- 安静を保つため訪室は最低限とする。
- 観察が必要であり、訪室は必要である。