第103回午前問題52
Aさん(57歳、男性)は、肺癌で放射線治療後、放射線肺炎を発症し、1か月半前から副腎皮質ステロイドにより治療中である。2日前から38.0℃の発熱と頭痛が出現し、検査の結果、前頭葉に膿瘍が認められた。現在のAさんの血液検査データは、白血球12,000/μl、空腹時血糖101mg/dl、HbA1c5.9%、CRP4.6mg/dlである。膿瘍の発症に関与した副腎皮質ステロイドの副作用はどれか。
- 糖尿病
- 易感染
- 高血圧症
- 創傷治癒遷延
正解 2
- 糖尿病
- 糖尿病の診断基準は、空腹時血糖126mg/dl以上、HbA1c6.5%以上であり、正常範囲である。
- 易感染
- 副腎皮質ステロイドの副作用には易感染があり、それによって膿瘍が発症したと考えられる。
- 高血圧症
- 膿瘍の発症には関与しない。
- 創傷治癒遷延
- 膿瘍の発症によって創傷治癒が遷延することはあるが、創傷治癒遷延によって膿瘍が発症するわけではない。