第103回午前問題82
血圧を上げる作用を持つのはどれか。2つ選べ。
- レニン
- インスリン
- カルシトニン
- ソマトスタチン
- ノルアドレナリン
正解 1,5
- レニン
- レニンは、腎臓の傍糸球体細胞から分泌され、血中のアンギオテンシノーゲンに作用し、アンギオテンシンI(AI)を遊離する。AIは血管内皮細胞膜にあるアンギオテンシン変換酵素(ACE)によりアンギオテンシンII(AII)に変換される。AIIは血管収縮作用があり、血圧を上昇させる。また、AIIは副腎にも作用してアルドステロンの生成・分泌を促進させ、血圧を上昇させる。
- インスリン
- インスリンは、膵臓のランゲルハンス島から分泌されるペプチドホルモンである。筋肉、脂肪組織ではブドウ糖の細胞内への取り込みを促進し、肝臓ではグリコーゲン合成を促進して血液中へのブドウ糖放出を抑制する。その結果、血糖値を低下させる。
- カルシトニン
- カルシトニンは主に甲状腺で産生されるホルモンで、骨の構成成分であるリン酸とカルシウムの、骨への沈着を促進し、血液中のカルシウム濃度を低下させる。
- ソマトスタチン
- ソマトスタチンは、膵臓のランゲルハンス島、脳の視床下部、消化官の内分泌細胞などから分泌されるホルモンである。インスリンやグルカゴンの分泌抑制、成長ホルモンの分泌抑制などの作用がある。
- ノルアドレナリン
- ノルアドレナリンは、神経伝達物質の一種で、副腎髄質から分泌される。α受容体に対しての親和性は高く、α作用による血管平滑筋の収縮が起こり、血圧を上昇させる。なお、ノルアドレナリンはβ1受容体にも作用するが、β2作用はほとんどない。