第104回午後問題96
次の文を読み94~96の問いに答えよ。
Aさん(65歳、男性、会社員)は、午後2時、会議の最中に急に発語しづらくなり、右上下肢に力が入らなくなったため、同僚に連れられて救急外来を受診した。既往歴に特記すべきことはない。来院時、ジャパン・コーマ・スケール(JCS)Ⅰ-3、瞳孔径は両側2.0mm。呼吸数18/分、脈拍60~80/分、不整で、血圧176/100mmHg。右上下肢に麻痺がある。午後4時、Aさんの頭部CTの所見で特に異常は認められなかったが、MRIの所見では左側頭葉に虚血性の病変が認められた。
減圧開頭術後2週。気管内チューブは抜管され、意識レベルはジャパン・コーマ・スケール(JCS)Ⅱ-10である。右上下肢の麻痺と運動性失語とが認められ、発語は少ない。利き手は右手である。Aさんとのコミュニケーションの方法で最も適切なのはどれか。
- 筆談を促す。
- 文字盤を用いる。
- 大きな声で話す。
- イラストを用いる。
正解 4
- 筆談を促す。
- 利き手である右手に麻痺があり、筆談は適切ではない。
- 文字盤を用いる。
- 運動性失語があり、意識レベルも低下しているため、文字盤を用いるのは困難である。
- 大きな声で話す。
- 普通の呼びかけで開眼するため、大きな声で話す必要はない。
- イラストを用いる。
- イラストを用いてのコミュニケーションは適切である。