第105回午後問題96
次の文を読み94~96の問いに答えよ。
Aさん(48歳、男性)は、横断歩道を歩行中に乗用車に衝突され、救命救急センターに搬送された。搬送時、呼びかけに開眼せず、四肢の筋緊張が亢進していた。呼吸数30/分、脈拍60/分、血圧142/98mmHgであった。右側頭部と右肩甲骨部の擦過傷以外に目立った外傷はなかった。
術後14日。Aさんの意識レベルはジャパン・コーマ・スケール(JCS)Ⅰ-2で、左上下肢に軽度の麻痺と左の視空間失認とがある。Aさんは座位を保持し、自力で食事を摂ることが可能となったが、左側の食べ物を残す様子がみられる。車椅子への移乗は看護師の介助が必要であるが、1人でベッドから降りようとする。Aさんは右利きである。このときの適切な看護はどれか。
- 離床センサーを設置する。
- 右側を意識するように促す。
- 食器をAさんの左側に配置する。
- 残した食事は看護師が介助して口に運ぶ。
- 視空間失認が改善してから歩行訓練を開始する。
正解 1
- 離床センサーを設置する。
- 車椅子への移乗は看護師の介助が必要であるにもかかわらず、1人でベッドから降りようとする行動がみられるため、離床センサーを設置し、転倒事故などを防止する。
- 右側を意識するように促す。
- 左の視空間失認があるため、左側を意識するように促す。
- 食器をAさんの左側に配置する。
- 左の視空間失認があるため、認識できるよう食器は右側に配置する。
- 残した食事は看護師が介助して口に運ぶ。
- 食事を残しているのは認識できていないだけであり、自力で食事を摂ることは可能である。
- 視空間失認が改善してから歩行訓練を開始する。
- 歩行訓練は早期から開始する。