第105回午前問題44
Aさん(59歳、男性)は、糖尿病で内服治療中、血糖コントロールの悪化を契機に膵癌と診断され手術予定である。HbA1c7.0%のため、手術の7日前に入院し、食事療法、内服薬およびインスリンの皮下注射で血糖をコントロールしている。Aさんは、空腹感とインスリンを使うことの不安とで、怒りやすくなっている。Aさんに対する説明で適切なのはどれか。
- 「手術によって糖尿病は軽快します」
- 「術後はインスリンを使用しません」
- 「少量であれば間食をしても大丈夫です」
- 「血糖のコントロールは術後の合併症を予防するために必要です」
正解 4
- 「手術によって糖尿病は軽快します」
- 手術侵襲によって血糖上昇ホルモンが分泌されるため、血糖コントロールは悪化する。
- 「術後はインスリンを使用しません」
- 術後は手術侵襲によって高血糖となる。また、膵臓全摘術ではインスリンの分泌が低下する。そのためインスリンの使用は必須である。
- 「少量であれば間食をしても大丈夫です」
- 血糖をコントロールするため、間食はしてはならない。
- 「血糖のコントロールは術後の合併症を予防するために必要です」
- 良好な血糖コントロールを行うことで、感染症や縫合不全などのリスクを低くすることができる。