第97回看護師国家試験一般問題・状況設定問題解説(午後問題67〜90)
次の文を読み67〜69の問いに答えよ。
2か月の男児。2週前から嘔吐があり頻回になった。昨日、噴水様嘔吐が5回あったため外来を受診し、緊急入院した。体重4,200g。体温35.5℃。眼球結膜に黄染は認めない。上腹部に腫瘤を触知する。血液検査の結果、赤血球540万/μl、白血球10,100/μl、血小板58.6万/μl。Ht45.0%、アルブミン4.4g/dl、Na140mEq/l、K3.5mEq/l、Cl 92mEq/l、動脈血pH7.48であった。
正解 1
- 大泉門の陥没
- 眼瞼結膜の蒼白
- 哺乳力の低下
- 胃蠕動の低下
正解 3
- 腹部温罨法
- 腹部マッサージ
- 胃内容物の吸引
- 胃内の気泡音の確認
【問題69】 手術後1日から授乳が開始され、経過が順調で手術後3日に退院予定となった。授乳後に嘔吐があったため母親は不安を訴えた。退院時の説明で最も適切なのはどれか。
正解 1
- 「授乳中も排気させてください」
- 「授乳の回数を少なくしてください」
- 「粉ミルクを薄めて飲ませてください」
- 「授乳後はあおむけで寝かせてください」
次の文を読み70〜72の問いに答えよ。
11歳の女児。2週前から夜尿が出現していた。本日登校中に倒れ搬送された。特記すべき既往歴はない。体温37.8℃。脈拍数100/分、呼吸数32/分。採血の結果、血糖値600mg/dl、代謝性アシドーシスが認められ、1型糖尿病の疑いで入院した。
正解 2
- 倦怠感
- 浮腫
- 多飲
- 多尿
【問題71】 1型糖尿病と診断され、主治医がインスリン自己注射の必要性を児と母親に説明した。患児は「自分で注射するなんてできない」と泣き出した。対応で最も適切なのはどれか。
正解 4
- 手をとって注射を促す。
- できるようになるまで退院できないと話す。
- 入院中は親に注射をしてもらうことを提案する。
- 自己注射をしている同年代の糖尿病患児と話す機会を作る。
正解 3
- そのまま参加する。
- 見学する。
- 1単位補食後に参加する。
- 早退し受診する。
次の文を読み73〜75の問いに答えよ。
36歳の初産婦。専業主婦。妊娠30週2日。身長160cm、非妊時体重55kg。健康診査時、体重60kg。子宮底長26cm、腹囲80cm。血圧120/76mmHg。尿蛋白(−)、尿糖(−)。浮腫(−)。Hb10.5g/dl、Ht30.0%。胎児心拍数150bpmであった。
正解 1
- 貧血がみられる。
- 胎児心拍が頻脈である。
- 体重増加が過剰である。
- 子宮底長が週数に比べて小さい。
【問題74】 健康診査後「週末にひとりで友人の家に遊びに行き、一泊する予定です。新幹線で2時間位かかるので指定席を取るつもりです」と言う。保健指導で適切なのはどれか。
正解 3
- 「取りやめた方がいいでしょう」
- 「重い荷物は背負って移動すると楽でしょう」
- 「ゆとりのあるスケジュールを計画しましょう」
- 「新幹線より高速バスを利用した方がいいでしょう」
正解 4
- 食後は左側臥位で休息する。
- 香辛料をきかせた料理を摂取する。
- 食べたい物を食べたい時に摂取する。
- 一回の食事量を減らし食事回数を増やす。
次の文を読み76〜78の問いに答えよ。
妊娠39週。体重3,100gで正常に出生した生後12時間の新生児。体温36.8℃。心拍数144/分、呼吸数62/分。呼吸はやや不規則、肺雑音(−)。顔面に点状出血が少量みられる。おむつにはレンガ色のしみがみられる。
【問題76】 児のアセスメントで最も注目すべき情報はどれか。
正解 2
- 顔面の点状出血
- 呼吸数
- 呼吸の不規則性
- おむつのレンガ色のしみ
正解 2
- 「夜間は粉ミルクを足しましょう」
- 「今のような授乳の仕方で良いですよ」
- 「糖水を足して授乳回数を減らすと良いでしょう」
- 「泣いたら授乳するのではなく3時間ごとにしましょう」
正解 1
- 正常経過である。
- 体重増加不良である。
- 臍部に感染兆候がみられる。
- 病的黄疸の兆候がみられる。
次の文を読み79〜81の問いに答えよ。
30歳の経産婦。妊娠41週5日。規則的な陣痛が発来し午前10時に入院した。入院時診察で、子宮底長32cm、腹囲88cm。血圧112/70mmHg。尿蛋白(−)、尿糖(−)。分娩監視装置を装着した結果、4〜5分間欠の陣痛がみられ、胎児心拍基線は140bpmであった。午後1時、淡緑色の羊水の流出がみられた。
【問題79】 この時に確認することで優先度が高いのはどれか。
正解 2
- 排尿時間
- 胎児心拍数
- 羊水の流出量
- 陣痛発作時間
【問題80】 午後2時、体重3,050gの児を分娩した。1分後のアプガースコアは6点で口鼻腔吸引が行われた。5分後のアプガースコアは9点であった。児に最も起こり得るのはどれか。
正解 3
- 上気道閉塞
- 低酸素性虚血性脳症
- 胎便吸引症候群(MAS)
- 呼吸窮迫症候群(RDS)
【問題81】 生後2時間。腋窩温36.2℃。心拍数125/分、呼吸数56/分。陥没呼吸(−)、呻吟(−)。四肢末端にチアノーゼが軽度みられる。児に優先して行うケアはどれか。
正解 2
- 沐浴
- 保温
- 授乳
- 酸素投与
次の文を読み82〜84の問いに答えよ。
58歳の男性。統合失調症。17年前に入院し、現在は開放病棟に入院している。常に幻聴があるが、日常生活に支障はない。病棟では作業療法に参加している以外に活動はせず、決まった患者と決まった場所に座って過ごしている。退院後1人暮らしをする予定の自宅へ週1回の定期的な外泊を繰り返している。
【問題82】 患者は外泊を定期的に行っているが、今後の治療や新たな活動について話そうとすると「今テレビで私のことを放送しているから待って」と避ける様子がみられる。患者への対応で最も適切なのはどれか。
正解 2
- 作業所の見学を計画する。
- 外泊中の生活について尋ねる。
- 幻聴があるので話しかけない。
- 1日の活動の時間割を看護師が作成する。
正解 1
- 否認
- 投影
- 同一化
- 昇華
正解 3
- 睡眠
- 運動
- 血糖値
- 血中コレステロール値
次の文を読み85〜87の問いに答えよ。
35歳の男性。浪費と近所の人に対する暴力のため入院した。20歳代から精神科外来に通院し、気分安定(感情調整)薬が処方されているが、服薬を中断して入退院を繰り返している。入院には同意しているが、看護師に対して大声を出して威嚇し、足で蹴ろうとする。食事と水分は、この5日間ほとんど摂っていない。
【問題85】 この時点の患者のアセスメントで正しいのはどれか。
正解 1
- 躁状態
- 緘黙状態
- せん妄状態
- 幻覚妄想状態
正解 3
- 排泄
- 体重
- 発熱
- 嘔気
正解 4
- 「薬をやめてみますか」
- 「主治医に言ってください」
- 「気にしない方がよいですよ」
- 「どの薬を飲むとそうなりますか」
次の文を読み88〜90の問いに答えよ。
52歳の男性。会社員。9年前にアルコール依存症のために入院し、3か月のアルコール依存症リハビリテーションプログラムを受け退院した。退院後は自助グループに参加しながら順調に断酒を続けていたが、最近の半年間は参加していなかった。5日前から連続飲酒を始め、やめることができずに家族に付き添われて精神科病院を受診した。患者は、医師の説得に応じて2度目の入院をした。
正解 4
- 措置入院
- 応急入院
- 医療保護入院
- 任意入院
正解 2
- 肝性脳症
- 振戦せん妄
- ウェルニッケ脳症
- アルコール性認知(痴呆)症
【問題90】 入院10日、患者は自信なさそうに「9年間もやめられたのに、どうしたんだろう。これからどうやってお酒をやめていけばいいのだろう」と看護師に相談した。この時の対応で適切なのはどれか。
正解 3
- 「なぜ飲酒したのですか」
- 「強い断酒の意志を持つとうまくいきます」
- 「もう一度自助グループに参加しましょう」
- 「退院後すぐ会社復帰すればやめられます」