第104回国家試験必修問題解説(午後問題1〜25)
【問題1】 日本の平成24年(2012年)における合計特殊出生率はどれか。
正解 2
- 0.91
- 1.41
- 合計特殊出生率とは、15歳から49歳までの女性が一生に産む子供の平均数である。「平成24年人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、日本における平成24年の合計特殊出生率は1.41である。
- 1.91
- 2.41
【問題2】 警察庁の「平成24年(2012年)中における自殺の状況」の自殺者の原因・動機のうち最も多いのはどれか。
正解 4
- 学校問題
- 平成24年の自殺者の原因・動機で、学校問題による自殺は、417人であった。
- 家庭問題
- 平成24年の自殺者の原因・動機で、家庭問題による自殺は、4,089人であった。
- 勤務問題
- 平成24年の自殺者の原因・動機で、勤務問題による自殺は、2,472人であった。
- 健康問題
- 平成24年の自殺者の原因・動機で、最も多いのは健康問題による自殺であり、13,629人であった。
正解 3
- セラチア
- セラチアは、土壌や水中などに分布するグラム陰性桿菌である。院内感染の原因菌の一種であり、主に接触感染である。免疫力の低下した患者が感染した場合、肺炎や敗血症、尿路感染症などを起こすことがある。
- カンジダ
- カンジダは、口腔や膣などに常在する真菌であるが、免疫力の低下した患者に対しては日和見感染症の原因となる。
- サルモネラ
- サルモネラは主に牛や豚などの哺乳類、鳥類、爬虫類の腸管に生息しているグラム陰性桿菌である。生や加熱不足の鶏卵、鶏肉、牛肉、豚肉などを介して食中毒を引き起こす。
- クラミジア
- クラミジアは、生体細胞内でのみ増殖する細菌の一種で、結膜炎(トラコーマ)や性器クラミジア感染症、クラミジア肺炎、気管支炎などの原因となる。主に性行為による感染である。
【問題4】 要介護状態の区分の審査判定業務を行うのはどれか。
正解 1
- 介護認定審査会
- 要介護認定は、市町村に設置される介護認定審査会によって行われる。
- 介護保険審査会
- 社会福祉協議会
- 社会保障審議会
正解 2
- 安全の欲求
- 帰属の欲求
- 集団に属したいという社会的な欲求である。
- 睡眠の欲求
- 排泄の欲求
正解 2
- 生後1〜2か月
- 生後6〜8か月
- 個人差はあるが、一般的に生後6か月を過ぎる頃から人見知りが始まる。
- 生後18〜24か月
- 生後36〜42か月
【問題7】 人口年齢区分における15歳から64歳までの年齢区分はどれか。
正解 4
- 従属人口
- 従属人口とは、年少人口(0歳から14歳)と老年人口(65歳以上)を合計した人口である。
- 年少人口
- 年少人口とは、0歳から14歳までの人口である。
- 老年人口
- 老年人口とは、65歳以上の人口である。
- 生産年齢人口
- 生産年齢人口とは、15歳から64歳までの人口である。
【問題8】 平成24年(2012年)の国民生活基礎調査で、世帯総数における核家族世帯の割合に最も近いのはどれか。
正解 3
- 30%
- 45%
- 60%
- 平成24年国民生活基礎調査によると、世帯総数4817万世帯に対し、夫婦と未婚の子のみの世帯が1466万8千世帯で30.5%、夫婦のみの世帯が1097万7千世帯で22.8%、ひとり親と未婚の子のみの世帯が334万8千世帯で6.9%となっている。合わせて核家族世帯の割合は約60%である。
- 75%
【問題9】 介護保険法に基づき訪問看護を行うことができる職種はどれか。
正解 3
- 医師
- 薬剤師
- 理学療法士
- 介護保険法に基づく訪問看護を行うことができるのは、看護師、准看護師、保健師、助産師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士である。
- 介護福祉士
【問題10】 嚥下困難のある患者への嚥下訓練において連携する職種で最も適切なのはどれか。
正解 2
- 歯科技工士
- 歯科技工士は、歯科医師の指示のもと、義歯や差し歯などの製作、修理、加工を行う。
- 言語聴覚士
- 言語聴覚士は、言語機能や音声機能、摂食・嚥下機能などの検査、評価、訓練、指導等を行う。
- 義肢装具士
- 義肢装具士は、医師の指示のもと、義肢・装具の装着部位の採寸、採型、製作、身体への適合を行う。
- 臨床工学技士
- 臨床工学技士は、医師の指示のもと、血液浄化装置、人工心肺装置、人工呼吸器などの生命維持管理装置の操作、保守点検を行う。
正解 4
- 橋
- 橋は脳幹の一部であり、呼吸調節中枢が存在する。
- 小脳
- 小脳の主要な機能は知覚と運動機能の統合で、平衡・筋緊張・随意筋運動の調節等を司る。
- 中脳
- 中脳は、対光反射や眼球運動などの視覚反射、身体の平衡、姿勢反射などに関与する。
- 視床下部
- 視床下部は間脳にあり、体温の調節など、体内環境の恒常性を保つ。
【問題12】 意識障害がある患者への救命救急処置で最も優先されるのはどれか。
正解 4
- 保温
- 輸液
- 酸素吸入
- 気道確保
- 意識障害がある場合、呼吸を確認し気道を確保する。呼吸がない場合は直ちに胸骨圧迫を開始する。
正解 3
- 尿崩症
- 尿崩症は、下垂体後葉からの抗利尿ホルモン(バソプレシン)の欠乏によって、腎臓の水分再吸収機能が低下し、多尿や多飲、口渇などが起こる。
- 褐色細胞腫
- 褐色細胞腫は、副腎髄質からカテコールアミンが過剰に分泌され、高血圧、頭痛、動悸、発汗、体重減少などがみられる。
- 甲状腺機能低下症
- 甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌低下によって起こり、倦怠感や気力低下、低体温、発汗減少、便秘、脱毛、皮膚乾燥、粘液水腫などがみられる。
- Cushing(クッシング)症候群
- クッシング症候群は、コルチゾールの分泌過剰によって起こる。症状には、中心性肥満、満月様顔貌、高血圧、月経異常、皮膚萎縮、皮膚線条、多毛、骨粗鬆症、糖尿病、易感染性などがある。
正解 4
- 血清鉄の増加
- 血中酸素分圧の上昇
- 血中二酸化炭素分圧の上昇
- 血中還元ヘモグロビン量の増加
- 血液中の酸素濃度が低下して、口唇や爪床など皮膚や粘膜が青紫色になった状態をチアノーゼという。一般的に、血中の還元ヘモグロビンが5g/dL以上でチアノーゼが起こる。呼吸器疾患や循環不全によって、全身あるいは一部器官で還元ヘモグロビンが増加すると、還元ヘモグロビンの色がチアノーゼとして現れる。
正解 4
- 血圧が下がること
- 脈拍を自覚すること
- 立ち上がると失神すること
- 血色素量が減っていること
- 貧血とは、血液中のヘモグロビン濃度(血色素量)が正常の範囲以下に低下した状態である。一般的に、ヘモグロビン濃度が血液1dL中に男性で14g未満、女性で12g未満の場合、貧血と診断される。
【問題16】 抗癌薬の副作用(有害事象)である骨髄抑制を示しているのはどれか。
正解 4
- 嘔吐
- 下痢
- 神経障害
- 白血球減少
- 抗癌薬の副作用に骨髄抑制がある。骨髄抑制とは、骨髄の造血能が障害される状態をいう。白血球減少により易感染性が、赤血球減少により貧血が、血小板減少により出血傾向が生じる。
正解 1
- フェンタニル
- フェンタニルは、強オピオイド鎮痛薬で、皮膚から吸収されやすいため貼付剤として用いられる。
- リン酸コデイン
- リン酸コデインは、鎮咳薬などで用いられる弱オピオイド鎮痛薬である。錠剤や散剤などがある。
- モルヒネ塩酸塩
- モルヒネ塩酸塩は、強オピオイド鎮痛薬で、錠剤や内服液、注射液、坐薬などがある。
- オキシコドン塩酸塩
- オキシコドン塩酸塩は、強オピオイド鎮痛薬で、徐放錠や散剤、注射液などがある。
【問題18】 患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。
正解 4
- 専門用語を用いて説明する。
- 専門用語ではなく、分かりやすい表現を使う。
- 視線を合わせずに会話をする。
- 視線を合わせて会話する。
- 沈黙が生じたら会話を終える。
- 沈黙の間に考えをまとめていたり、気持ちを整理している場合もある。患者からの発言を待つなど、沈黙の意味を理解して対応する。
- 患者の非言語的な表現を活用する。
- 非言語的表現は患者の感情をあらわしており、患者の非言語的な表現を活用することが適切である。
正解 3
- 体温36.2℃
- 成人の基準値は腋窩温で36〜37℃であり、正常である。
- 呼吸数12/分
- 呼吸数12/分は正常の範囲内である。
- 脈拍116/分
- 成人の基準値は60〜80回/分である。脈拍100/分以上は頻脈であり、異常所見である。
- 血圧128/84mmHg
- 成人の基準値は100〜130mmHg(収縮期)、60〜85mmHg(拡張期)であり、正常である。
【問題20】 成人男性の間欠的導尿においてカテーテルを挿入する長さで適切なのはどれか。
正解 3
- 6〜8cm
- 12〜14cm
- 18〜20cm
- 成人男性の尿道の長さ(16〜20cm)に適したカテーテル挿入の長さである。
- 24〜26cm
正解 2
- 病室
- 病室は、100〜200ルクス程度である。
- 手術野
- 手術野には、20,000ルクス以上の高照度が必要である。
- 外来の廊下
- 外来の廊下は、150〜300ルクス程度である。
- ナースステーション
- ナースステーションは、500〜750ルクス程度である。
【問題22】 成人の鼻孔から噴門までの長さで適切なのはどれか。
正解 3
- 5〜15cm
- 25〜35cm
- 45〜55cm
- 個人差はあるが、成人の場合、鼻腔の長さは約8cm、咽頭の長さは約12cm、食道の長さは約25cmであり、鼻孔から噴門までの長さは約45cmである。
- 65〜75cm
正解 1
- 流量
- 輸液ポンプの主目的は輸液速度の調整と正確な量の輸液であり、設定する項目は「流量」と「予定量」である。
- 開始時刻
- 薬剤の濃度
- 薬剤の処方内容
【問題24】 医療用酸素ボンベと酸素流量計とを図に示す。酸素の流量を調節するのはどれか。
正解 3
- ①
- バルブである。
- ②
- 流量計である。
- ③
- 流量を調節するハンドルである。
- ④
- 調節器を酸素ボンベにつなぐ取付口である。
正解 3
- 呼吸の促進
- 血圧の降下
- 不整脈の治療
- 除細動器の使用目的は、心臓に電流を流すことで心室細動や心房細動、心室頻拍などの不整脈を正常に戻すことである。
- 意識レベルの評価