第105回国家試験必修問題解説(午後問題1〜25)
【問題1】 日本の平成25年(2013年)における男性の平均寿命はどれか。
正解 3
- 70.21年
- 75.21年
- 80.21年
- 平成25年簡易生命表によると、日本の平成25年における男性の平均寿命は80.21年、女性の平均寿命は86.61年である。
- 85.21年
【問題2】 日本の平成24年(2012年)の国民健康・栄養調査における男性の喫煙習慣者の割合はどれか。
正解 2
- 14.1%
- 34.1%
- 平成24年国民健康・栄養調査によると、男性の喫煙習慣者(現在習慣的に喫煙している者)の割合は34.1%、女性は9.0%である。
- 54.1%
- 74.1%
正解 4
- 酸素
- 水素
- 窒素
- 二酸化炭素
- 二酸化炭素は、地球温暖化をもたらす代表的な温室効果ガスである。その他の温室効果ガスには、メタン、一酸化二窒素、フロンガスなどがある。
【問題4】 終末期に自分がどのような医療を受けたいかをあらかじめ文書で示しておくのはどれか。
正解 2
- アドヒアランス
- アドヒアランスとは、患者自身が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けることである。
- リビングウィル
- リビングウィルとは、生前の意思という意味であり、死期が迫ったときの治療方針を事前に書面に示すことである。
- セカンドオピニオン
- セカンドオピニオンとは、診断や治療法について、患者が主治医以外の医師に意見を求めることである。
- インフォームド・コンセント
- インフォームド・コンセントとは、患者に十分に情報を提供し、患者の同意を得ることである。世界医師会が採択したヘルシンキ宣言によって提唱された基本原則の1つである。
【問題5】 医師の指示がある場合でも看護師に禁止されている業務はどれか。
正解 2
- 静脈内注射
- 静脈内注射は、医師の指示を受けて看護師が行うことができる。
- 診断書の交付
- 診断書の交付は医師の業務であり、医師の指示があっても看護師は行うことができない。
- 末梢静脈路の確保
- 末梢静脈路の確保は、医師の指示を受けて看護師が行うことができる。
- 人工呼吸器の設定の変更
- 人工呼吸器の設定の変更は、医師の指示を受けて看護師が行うことができる。
正解 2
- 50〜70/分
- 80〜100/分
- 学童期の正常な脈拍数は、おおよそ80〜100/分である。
- 110〜130/分
- 140〜160/分
正解 3
- 腎血流量
- 加齢に伴う糸球体硬化や動脈硬化によって、腎血流量は低下する。
- 最大換気量
- 加齢に伴う肺胞の減少や呼吸筋の筋力低下によって、最大換気量は低下する。
- 空腹時血糖
- 加齢に伴うインスリン分泌の低下やインスリン抵抗性の増大によって、空腹時血糖は上昇する。
- 神経伝導速度
- 加齢に伴う髄鞘の変性によって神経伝導速度は低下する。
【問題8】 医療法には「診療所とは、患者を入院させるための施設を有しないもの又は[ ]人以下の患者を入院させるための施設を有するもの」と定められている。[ ]に入るのはどれか。
正解 4
- 16
- 17
- 18
- 19
- 医療法第一条の五の二に「診療所とは、患者を入院させるための施設を有しないもの又は19人以下の患者を入院させるための施設を有するもの」と定められている。
正解 4
- 通所介護の提供
- 福祉用具の貸与
- 短期入所生活介護の提供
- 居宅サービス計画の立案
- 介護支援専門員の業務は、介護に関する相談・援助、関係機関との連絡調整、ケアプラン作成、要介護度認定に係わる訪問調査などである。
正解 2
- 100mL
- 500mL
- 成人の膀胱の平均容量は400〜500mLである。
- 1,000mL
- 1,500mL
正解 1
- 心筋
- 不随意筋とは、自分の意志で動かすことができない筋肉のことである。心筋や平滑筋が不随意筋に該当する。
- 僧帽筋
- 僧帽筋は随意筋である。
- 大殿筋
- 大殿筋は随意筋である。
- ヒラメ筋
- ヒラメ筋は随意筋である。
【問題12】 特定の抗原となる物質によって生じるアレルギー反応で引き起こされるショックはどれか。
正解 4
- 心原性ショック
- 心原性ショックは、心臓の機能低下によって血圧が低下し、十分な酸素供給ができなくなり、臓器の機能が低下した状態である。
- 出血性ショック
- 出血性ショックは、出血により内臓の血流が維持できず、細胞機能が保てなくなる状態である。
- 神経原性ショック
- 神経原性ショックは、脊髄損傷による交感神経遮断、疼痛や精神的不安などによる血管迷走神経反射などが原因となる。
- アナフィラキシーショック
- アナフィラキシーショックは、I型アレルギー反応によるショック状態で、薬剤や食物、ハチやヘビ毒などが原因となる。即時型アレルギー反応で生じる気管支痙攣、粘液分泌亢進、血管拡張などにより、蕁麻疹や紅潮等の皮膚症状や、呼吸困難、意識障害、血圧低下等の症状が起こる。
正解 2
- 右心不全
- 左心不全
- 左心不全では心拍出量が低下し、肺うっ血が生じる。そのため、咳嗽や喘鳴、呼吸困難、ピンク色の泡沫状痰などが起こりやすい。
- 心筋梗塞
- 肺梗塞
正解 3
- 甲状腺機能亢進症
- 過剰な運動
- 低栄養
- 低栄養状態による低アルブミン血症では、膠質浸透圧が低下して間質への水分流出が起こるため、浮腫が生じやすくなる。
- 熱中症
正解 4
- 血糖値
- 血糖値は、血液内のグルコース(ブドウ糖)の濃度である。糖尿病の診断に用いられる。
- 尿酸値
- 尿酸値は、プリン体が分解されてできた尿酸の血中濃度である。痛風の診断に用いられる。
- C反応性蛋白値
- C反応性蛋白は、炎症反応や組織細胞の破壊が生じているときに血中に増加する蛋白質であり、炎症マーカーとして用いられる。
- ヘモグロビン濃度
- 貧血の診断には、ヘモグロビン濃度やヘマトクリット値が用いられる。ヘモグロビン濃度が血液1dL中に男性で14g未満、女性で12g未満、高齢者で11g未満が貧血の診断の目安となる。
正解 4
- ドパミン
- ドパミンは、中枢神経系の神経伝達物質である。パーキンソン病ではドパミンが減少するため、ドパミン補充療法が用いられる。
- インスリン
- 糖尿病ではインスリンが不足するため、インスリン補充療法が用いられる。インスリン補充療法は、特に1型糖尿病では必須である。
- リドカイン
- リドカインは局所麻酔に用いられる。また、抗不整脈薬としても用いられる。
- インターフェロン
- インターフェロンは、C型慢性肝炎の治療に用いられる。
【問題17】 カルシウム拮抗薬の服用時に避けた方がよい食品はどれか。
正解 4
- 納豆
- ワルファリン服用時は、納豆などビタミンKを多く含む食品の摂取は避ける。
- 牛乳
- 一部の抗菌薬などの服用時は、牛乳の摂取を避ける。
- わかめ
- 抗甲状腺薬の服用時は、わかめなどヨードを多く含む食品の摂取は避ける。
- グレープフルーツ
- グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類が消化管に存在する代謝酵素を阻害するため、カルシウム拮抗薬の分解が抑制され、血中濃度が上昇する。
正解 3
- 脱脂綿で耳栓をする。
- 耳の中に水が入らないように、脂分があり水を弾く青梅綿で耳栓をする。
- 43〜44℃の湯をかける。
- 38〜41℃の湯を使用する。
- 指の腹を使って洗う。
- 頭皮を爪で傷つけないように、指の腹を使って洗う。
- 強い振動を加えて洗う。
- 頭部を支え、振動を最小限にして洗う。
【問題19】 全身清拭時、洗面器に準備する湯の温度で適切なのはどれか。
正解 4
- 20〜25℃
- 30〜35℃
- 40〜45℃
- 50〜55℃
- 実際に患者の肌に当たる頃に40℃前後になるよう、湯の温度が低下することを考慮して50〜55℃の湯を準備する。
正解 3
- 汗
- 爪
- 唾液
- 唾液はスタンダードプリコーションの対象である。スタンダードプリコーションとは、感染症の有無に関わらず、患者の血液、汗を除く全ての体液分泌物、排泄物、粘膜、損傷した皮膚を感染源とみなし対処することをいう。
- 頭髪
正解 1
- Fowler(ファウラー)位
- 誤嚥を防ぐため、経鼻経管栄養法の体位はファウラー位や座位とする。
- 仰臥位
- 腹臥位
- 側臥位
【問題22】 成人用輸液セット1mL当たりの滴下数はどれか。
正解 1
- 20滴
- 成人用輸液セットでは、1mL当たりの滴下数は20滴である。尚、小児用では、1mL当たりの滴下数は60滴である。
- 40滴
- 60滴
- 80滴
【問題23】 ゴム製湯たんぽに入れる湯の温度で適切なのはどれか。
正解 2
- 40℃程度
- 60℃程度
- ゴム製湯たんぽの湯の温度は60℃程度とし、金属製の場合は80℃程度とする。
- 80℃程度
- 100℃程度
正解 4
- 無菌操作で行う。
- 鼻腔内吸引は無菌操作で行う必要はない。
- 吸引圧をかけた状態で吸引チューブを挿入する。
- チューブ挿入時は吸引圧をかけない。
- 鼻翼から一定の距離で固定して吸引する。
- ゆっくり引き抜きながら吸引する。
- 吸引チューブを回転させながら吸引する。
- 効率よく分泌物を吸引するため、吸引チューブを左右に回転させながら吸引し、ゆっくり引き抜く。
正解 5
- ビタミンA
- ビタミンB
- ビタミンC
- ビタミンE
- ビタミンK
- 母乳はビタミンK含有量が少ない。そのため母乳栄養児では、ビタミンK欠乏による出血傾向(頭蓋内出血など)がみられることがあり、予防のためにビタミンK2シロップの与薬が行われる。