第106回国家試験必修問題解説(午前問題1〜25)
【問題1】 平成25年(2013年)の国民生活基礎調査による有訴者率(人口千対)で正しいのはどれか。
正解 3
- 12.4
- 112.4
- 312.4
- 平成25年(2013年)の国民生活基礎調査による有訴者率(人口千対)は312.4である。性別では、男性276.8、女性345.3で女性の方が高い。症状別では、男性は「腰痛」、女性は「肩こり」が最も高い。
- 512.4
【問題2】 平成25年(2013年)の感染症発生動向調査による年間の性感染症(STD)報告数で最も多いのはどれか。
正解 1
- 性器クラミジア感染症
- 平成25年(2013年)の感染症発生動向調査によると、年間の性器クラミジア感染症の報告数は25,606で最も多い。
- 尖圭コンジローマ
- 性器ヘルペス
- 淋菌感染症
正解 4
- 約400億円
- 約4,000億円
- 約4兆円
- 約40兆円
- 平成25年(2013年)の国民医療費は40兆610億円で、前年度の39兆2,117億円に比べ8,493億円、2.2%の増加となっている。
【問題4】 介護保険法で第1号被保険者と規定されているのはどれか。
正解 3
- 45歳以上
- 55歳以上
- 65歳以上
- 65歳以上の者を第1号被保険者、40歳以上65歳未満の医療保険加入者を第2号被保険者という。
- 75歳以上
【問題5】 看護師の業務従事者届の届出の間隔として規定されているのはどれか。
正解 2
- 1年
- 2年
- 保健師助産師看護師法第33条によって、2年ごとの届出が規定されている。業務に従事する保健師、助産師、看護師または准看護師は、2年に1度、12月31日現在における氏名、住所その他厚生労働省令で定める事項について、翌年1月15日までに、就業地の都道府県知事に届け出ることが義務付けられている。
- 5年
- 10年
【問題6】 標準的な発育をしている乳児の体重が出生時の体重の約2倍になる時期はどれか。
正解 1
- 生後3か月
- 出生後の体重は、生理的体重減少を経て、最初の2〜3か月間は1日に25〜30gずつ増加し、生後3〜4か月で出生時の約2倍になる。また、生後1年で、出生時体重の約3倍になる。
- 生後6か月
- 生後9か月
- 生後12か月
正解 1
- 精通
- 男子では精巣が発達し、精通がみられる。また、女子では初潮がみられる。
- 体重減少
- 男子では筋肉の発達、女子では皮下脂肪の増加がみられ、体重は増加する。
- 内臓脂肪の増加
- 女子では皮下脂肪の増加がみられる。
- 第1大臼歯の萌出
- 第1大臼歯の萌出は、6〜7歳頃にみられる。
正解 3
- 尿量の増加
- 老年期では、尿量は減少し、排尿回数は増加する傾向にある。
- 味覚の感度の向上
- 味覚の受容器である味蕾の数が減少するため、味覚の感度は低下する。
- 体温調節能の低下
- 老年期では、皮膚血管運動の低下や発汗の減少により、体温調整能は低下する。
- 外来抗原に対する抗体産生の亢進
- T細胞が減少するため、B細胞は抗体を産生することができず、抗体産生は減少する。
【問題9】 医療法で「地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせる能力を有すること」と定められているのはどれか。
正解 4
- 助産所
- 診療所
- 特定機能病院
- 地域医療支援病院
- 地域医療支援病院は、紹介患者に対する医療提供、医療機器の共同利用等の実施を通じて、かかりつけ医、かかりつけ歯科医等を支援し、効率的な医療提供体制の構築を図ることを目的としている。「かかりつけ医の支援」の他、「救急医療の提供」「地域の医療従事者の資質向上のための研修の実施」などを行う。
【問題10】 ヒューマンエラーによる医療事故を防止するための対策で最も適切なのはどれか。
正解 4
- 性格検査の実施
- 事故発生時の罰則の規定
- 注意力強化のための訓練の実施
- 操作を誤りにくい医療機器の導入
- ヒューマンエラーとは、人為的な過誤や失敗のことである。操作を誤りにくい医療機器を導入することは、選択肢の中では最も適切である。
正解 1
- 左心室
- 左心室は左心房から受けた動脈血を大動脈に送り循環させる。
- 右心室
- 左心房
- 右心房
正解 2
- 頭蓋内
- 気道
- 喀血は、肺や気管支から出血した際にみられる。
- 食道
- 胆道
正解 3
- 髄膜炎
- 髄膜炎では頭痛がみられる。
- 腎結石
- 結石が腎臓内にある場合はほとんど痛みがないことが多いが、結石が腎臓から尿管に移動して尿管や膀胱などに詰まると、腰から背中にかけて激しい痛みが生じる。
- 急性心筋梗塞
- 胸痛は、急性心筋梗塞の他に、狭心症、大動脈解離、肺塞栓症などでみられる。
- Meniere(メニエール)病
- メニエール病では、めまいや難聴、耳鳴りなどがみられる。
正解 2
- 下肢の麻痺が認められる。
- 姿勢保持が困難になる。
- 小脳失調では、姿勢保持が困難になる、歩行時にふらつく、ろれつがまわりにくくなる、などの症状がみられる。
- 血圧が不安定になる。
- 体がこわばる。
正解 1
- 身体拘束
- せん妄の誘発因子には、身体拘束、疼痛、環境の変化、睡眠障害、心理的ストレスなどがある。電解質バランス異常や代謝異常、中枢神経疾患、心肺疾患、低酸素などは直接因子となる。
- 心血管障害
- 低栄養状態
- 電解質バランス異常
【問題16】 目的とする効果が安定して発現するまでに最も時間がかかる薬はどれか。
正解 3
- 睡眠薬
- 超短時間型の睡眠薬では10〜15分、長時間型では約30分で作用が発現する。
- 鎮痛薬
- 薬剤によって様々であり、コデインは約30分、オキシコドンは約15分〜約1時間、フェンタニルは約1〜2時間である。
- 抗うつ薬
- 発現時間が短い選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)でも1〜2週間かかる。
- 抗血栓薬
- 薬剤によって異なるが、経口投与後約1〜6時間で最高血中濃度となる。
【問題17】 医薬品表示を示す。劇薬の表示で正しいのはどれか。
正解 4
- ①
- ②
- ③
- ④
- 劇薬は、直接の容器または直接の被包に、白地に赤枠、赤字で、その品名及び「劇」の文字が記載されていなければならない。尚、毒薬は、直接の容器または直接の被包に、黒地に白枠、白字で、その品名及び「毒」の文字が記載されていなければならない。
【問題18】 自力での摂取が困難な臥床患者の食事介助で適切なのはどれか。
正解 3
- 水分摂取の介助を控える。
- 水分を控える必要はない。
- 仰臥位の姿勢を保持するよう介助する。
- 誤嚥の可能性があるので、仰臥位のまま食事介助は行わない。
- 食事内容が見える位置に食器を配置する。
- 食事内容が見える位置に食器を配置することで、患者の意向を確認しながら食事介助を行うことができる。また、食欲の向上につながることもある。
- 患者の下顎が上がるよう上方からスプーンで介助する。
- 誤嚥の可能性があるので、下顎が上がらないように介助する。
正解 2
- 食欲増進
- 睡眠の促進
- 足湯によって血液循環が促進するため、睡眠の促進が期待される。尚、足湯によって、筋緊張は緩和され、皮膚温は上昇する。
- 筋緊張の亢進
- 皮膚温の低下
【問題20】 療養施設、社会福祉施設等が集合して設置されている地域の昼間の騒音について、環境基本法に基づく環境基準で定められているのはどれか。
正解 2
- 20dB以下
- 50dB以下
- 療養施設、社会福祉施設等が集合して設置されている地域の昼間の騒音は50dB以下、夜間の騒音は40dB以下と、環境基本法によって定められている。
- 80dB以下
- 110dB以下
正解 3
- 乾熱滅菌
- プラズマ滅菌
- 高圧蒸気滅菌
- オートクレーブは、高温高圧の飽和水蒸気による滅菌処理のための装置(高圧蒸気滅菌器)である。
- 酸化エチレンガス滅菌
【問題22】 点滴静脈内注射中の刺入部位の腫脹を確認したときに、最初に実施するのはどれか。
正解 2
- 体位を変える。
- 注入を中止する。
- 刺入部位の発赤腫脹は薬液の漏れや感染の可能性があるため、即座に注入を中止する。
- 刺入部位を挙上する。
- 周囲のマッサージを行う。
【問題23】 成人患者の気管内の一時的吸引における吸引圧で正しいのはどれか。
正解 1
- −100〜−150mmHg
- 気管内吸引は、−100〜−150mmHgの吸引圧で行う。
- −200〜−250mmHg
- −300〜−350mmHg
- −400〜−450mmHg
正解 4
- 患部を強く圧迫する。
- 血流障害や神経障害を起こす可能性があるため、患部は強く圧迫しないようにする。
- 屈伸可能な関節は固定する。
- 屈伸可能な関節は固定しない。
- 中枢から末梢に向けて巻く。
- 末梢から中枢に向けて巻く。
- 使用部位によって包帯を使い分ける。
- 使用部位によって包帯を使い分けることは適切である。
【問題25】 経腟分娩の正常な経過で最初に起こるのはどれか。
正解 5
- 発露
- 発露とは、陣痛間欠時も児頭が露出した状態である。
- 排臨
- 排臨とは、児頭が陣痛発作時に見え、間欠時に隠れる状態である。
- 胎盤の娩出
- 胎児娩出から胎盤娩出までを分娩第3期という。
- 児頭の娩出
- 子宮口全開大から胎児娩出までを分娩第2期という。
- 子宮口の全開大
- 規則的陣痛開始から子宮口全開大までを分娩第1期という。子宮口の全開大、排臨、発露、児頭の娩出、胎盤の娩出の順となる。