Nステ.com

国家試験関係法規解説(第99回)

第99回

【問題】 要介護認定の申請先はどれか。 (介護保険法)

正解 1

  1. 市町村
    • 要介護認定の申請先は市町村である。そして、介護認定審査会の判定に基づき、市町村が要介護認定を行う。また、更新の申請も市町村に対して行う必要がある。
  2. 保健所
    • 保健所は要介護認定の申請先ではない。
  3. 主治医
    • 主治医の意見書は、介護認定審査会における審査・判定の基礎資料となる。
  4. 介護保険施設
    • 介護保険施設や指定居宅介護支援事業者に、申請の代行を依頼することができる。

【問題】 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)に、2004年の改正で新たに加えられたのはどれか。 (DV防止法)

正解 2

  1. 離婚調停支援
    • 「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策に関する基本的な方針」の中で、配偶者暴力相談支援センターの取り組みとして、離婚調停手続についての相談対応、法律相談窓口の紹介などが規定されている。
  2. 暴力被害者の自立支援
    • 2004年の改正により、被害者の自立支援の明確化、「配偶者からの暴力」の定義の拡大(身体的な暴力だけでなく精神的な暴力も含める)、保護命令制度の拡充(元配偶者から暴力を受けた者や被害者の子も対象となる)、市町村における配偶者暴力相談支援センターの業務の実施などが規定された。
  3. 暴力被害者への接近禁止
    • 暴力被害者への接近禁止については、2001年の法施行時より規定されている。2004年の改正により、被害者だけでなく、被害者と同居する子についても接近禁止命令を出すことが可能になった。また、加害者の対象として元配偶者も含まれるようになった。尚、2007年の改正では、保護命令の対象が、生命等に対する脅迫を受けた者及び被害者の親族等へも拡大され、電話・ファクシミリ・手紙・メール等によるつきまとい行為等も禁止命令の対象となった。
  4. 地域のDVシェルターの建設推進
    • 「男女共同参画基本計画」の中で、「配偶者等からの暴力の防止及び被害者の保護等の推進」が計画の一つとして取り上げられている。DVシェルターとは、DV防止法に基づくDV被害女性とその家族が、適当な宿泊先がなく、被害が及ぶことを防ぐため緊急に保護することが必要と認められる場合であって、自立に向けた援助が有効であると認められた場合等に一時保護する施設である。

【問題】 特定疾患治療研究事業の対象疾患で正しいのはどれか。

正解 3

  1. 原因は判明している。
    • 対象疾患は、原因不明のものである。
  2. 治療方法は確立している。
    • 対象疾患は、治療方法が未確立のものである。
  3. 医療費の公費負担がある。
    • 自己負担分の一部を国と都道府県が公費負担として助成している。
  4. 平成20年4月現在の対象疾患数は123である。
    • 対象疾患数は56である。(平成21年現在)

【問題】 産前産後の休業が規定されているのはどれか。 (労働基準法)

正解 1

  1. 労働基準法
    • 産前産後の休業は、労働基準法に規定されている。6週間以内に出産予定の女性が休業を請求した場合は就業させてはならない。また、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後6週間を経過した女性が請求した場合において、医師が支障がないと認めた業務に就かせることはできる。
  2. 職業安定法
    • 公共職業安定所をはじめとする職業安定機関が労働者に就業の機会を与え、産業に必要な労働力を提供することを目的とした法律であり、職業紹介に関して規定されている。
  3. 母体保護法
    • 母性の生命や健康の保護を目的とした法律であり、不妊手術や人工妊娠中絶に関する事項を定めたものである。
  4. 労働安全衛生法
    • 労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的に施行された法律である。危険防止基準の確立(危険・健康障害を防止するために事業者に一定の義務を負わせる等)、事業場内における責任体制の明確化(衛生管理者、総括安全衛生管理者等の選任・届出等)、事業者の自主的活動の促進などについて規定されている。

【問題】 社会福祉法における福祉サービス利用援助事業で支援計画に基づき支援を実施するのは誰か。 (社会福祉法)

正解 1

  1. 生活支援員
    • 福祉サービス利用援助事業とは、認知症高齢者や知的障害者、精神障害者などの判断能力が十分でない者に対し、福祉サービスの利用援助や、日常的な金銭管理などの援助を行うものである。利用者本人が支援計画や契約内容に合意した上で、利用者本人と社会福祉協議会等が契約を結び、契約に基づく援助は、生活支援員が行う。
  2. 市町村職員
  3. かかりつけ医
  4. 訪問介護員(ホームヘルパー)

【問題】 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察に関する法律の目的はどれか。 (心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律)

正解 1

  1. 社会復帰の促進
    • 第1条に定められている。「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対し、その適切な処遇を決定するための手続等を定めることにより、継続的かつ適切な医療並びにその確保のために必要な観察及び指導を行うことによって、その病状の改善及びこれに伴う同様の行為の再発の防止を図り、もってその社会復帰を促進することを目的とする」
  2. 責任能力の判定
  3. 刑務所での精神科治療
  4. 医療少年院での精神科治療

【問題】 指定訪問看護ステーションで正しいのはどれか。 (指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準)

正解 2

  1. 利用者は高齢者に限定される。
    • 高齢者に限定されない。医師が訪問看護を必要と認めれば利用できる。
  2. 常勤換算で2.5名以上の看護職員が必要である。
    • 看護職員は常勤換算で2.5名以上配置し、そのうち1名は常勤の必要がある。
  3. 訪問サービスの提供は看護職でなければならない。
    • サービス提供者は、看護師、准看護師、保健師、助産師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士である。
  4. 勤務する看護師は臨床経験5年以上と定められている。
    • 臨床経験の定めはない。
  5. 訪問看護ステーションは24時間体制を義務付けられている。
    • 義務付けられていない。ただし、利用者の病状急変時等における主治医への連絡などの緊急体制が整備されている必要がある。

【問題】 男女雇用機会均等法の目的はどれか。 (男女雇用機会均等法)

正解 3

  1. 子の看護休暇の取得促進
    • 育児・介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)に規定されている。
  2. 女性の最低労働基準の設定
    • 労働基準法に規定されている。
  3. 雇用分野における男女差別の解消
    • 男女雇用機会均等法は、雇用の分野での男女の均等な機会及び待遇の確保、女性労働者の妊娠中と出産後の健康確保を目的としている。
  4. 就業制限業務の規定による女性の保護
    • 労働基準法に規定されている。

【問題】 法的に診療所に入院させることのできる患者数の上限はどれか。 (医療法)

正解 2

  1. 9人
  2. 19人
    • 診療所は、患者を入院させるための施設を有しないもの又は19人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。
  3. 29人
  4. 39人

【問題】 法律と交付される手帳の組合せで正しいのはどれか。 (精神保健及び精神障害者福祉に関する法律)

正解 4

  1. 障害者自立支援法 ――――――――――――― 療育手帳
    • 療育手帳は、知的障害者福祉法で定める知的障害者に対し各都道府県もしくは政令指定都市が発行を行う。ただし、知的障害者福祉法に療育手帳の規定はなく、様式や判定は各自治体で異なる。
  2. 母子及び寡婦福祉法 ―――――――――――― 母子健康手帳
    • 母子健康手帳については、母子保健法に規定されている。母子健康手帳は、妊娠の届け出をした市町村から交付され、健康診査、保健指導、予防接種等に関しての記録が記載される。
  3. 生活保護法 ―――――――――――――――― 身体障害者手帳
    • 身体障害者手帳については、身体障害者福祉法に規定されている。身体障害者に対し都道府県知事より交付される。
  4. 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律 ―― 精神障害者保健福祉手帳
    • 精神障害者保健福祉手帳については、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に規定されている。精神障害者に対し都道府県知事より交付される。

【問題】 新障害者基本計画で新たに強調されているのはどれか。 (新障害者基本計画)

正解 2

  1. 地域基盤
  2. 共生社会
    • 新障害者基本計画では、これまでのリハビリテーション及びノーマライゼーションという理念に加えて、共生社会の実現を目指している。
  3. 国際協力
  4. リハビリテーション

【問題】 予防接種で正しいのはどれか。 (予防接種法)

正解 3

  1. 小学1年生ではツベルクリン反応検査が行われる。
    • 結核予防法の改正に伴い、平成17年4月よりツベルクリン反応検査は廃止された。
  2. インフルエンザに使用されるのは生ワクチンである。
    • 生きた細菌や毒性を弱めたウイルスを使用したものを生ワクチン、細菌やウイルスを殺し毒性をなくして作ったものを不活化ワクチンという。生ワクチンには、経口生ポリオワクチン、BCG、麻疹・風疹混合ワクチンなどがあり、不活化ワクチンには、ジフテリア・百日せき・破傷風混合ワクチン、インフルエンザワクチン、日本脳炎ワクチン、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチンなどがある。
  3. 麻疹および風疹の予防接種には混合ワクチンが含まれる。
    • 麻疹・風疹混合ワクチンは、予防接種法により第1期(満1歳〜2歳未満)、第2期(就学前の1年間)の2回の定期接種とされている。
  4. ポリオ(急性灰白髄炎)の予防接種は皮下注射で行われる。
    • 2012年9月1日よりポリオの予防接種は、従来の生ポリオワクチン経口投与から、不活化ポリオワクチン(皮下注射)に切り替わっている。

【問題】 介護保険制度によって指定されるグループホームについて正しいのはどれか。 (介護保険法)

正解 3

  1. 施設サービスの1つである。
    • 地域密着型サービスの1つである。
  2. 入所人数の制限はない。
    • 1ユニット9名以下である。
  3. 訪問看護を利用できる。
    • 急性増悪等の理由により、主治医から特別訪問看護指示書の交付を受けた場合、訪問看護ステーションの訪問看護を利用することができる。
  4. 夜間は職員が不在となる。
    • グループホームは24時間体制であり、夜間においても介護従業者が1人以上確保されている必要がある。

【問題】 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律が規定する行動制限で、看護師の判断で行うことができるのはどれか。 (精神保健及び精神障害者福祉に関する法律)

正解 4

  1. 隔離の実施
    • 隔離の実施は、精神保健指定医が必要と認める場合でなければ行うことができない。
  2. 手紙発信の制限
    • 信書(手紙)の発受や都道府県その他の行政機関の職員との面会については、制限することができない。
  3. 身体的拘束の実施
    • 身体的拘束の実施は、精神保健指定医が必要と認める場合でなければ行うことができない。
  4. ケア時、隔離の一時的中断
    • ケア時における隔離の一時的中断は、看護師の判断で行うことができる。

このページの先頭へ

国試対策トップへ