第103回看護師国家試験一般問題・状況設定問題解説(午前問題69〜90)
正解 3
- 過去の心的外傷に気付く。
- 薬物療法についての理解が深まる。
- 物事の捉え方のゆがみが修正される。
- 認知行動療法は、認知と行動に焦点を当て、自己観察によって自身の悪循環や状況との相互作用を把握し、自らの考え方や行動を変えていくことを目的とした問題解決型の心理療法である。
- 自分で緊張を和らげることができるようになる。
正解 2
- 陽性症状を鎮静化する。
- 社会生活機能を回復する。
- 精神科デイケアは、日常生活の自立を助けるためのリハビリテーションを行う通所施設であり、社会生活機能の回復を目的としている。
- 家族の疾病理解を深める。
- 単身で生活できるようにする。
【問題71】 現在の日本の精神医療について正しいのはどれか。
正解 3
- 精神及び行動の障害で入院した患者で最も多いのはうつ病である。
- 精神及び行動の障害で入院した患者で最も多いのは統合失調症である。
- 人口当たりの精神病床数はOECD加盟国の中では低い水準である。
- 人口当たりの精神病床数はOECD加盟国の中で最も多い。
- 各都道府県及び政令指定都市に精神保健福祉センターが設置されている。
- 精神保健福祉センターは、精神保健福祉法に基づき各都道府県及び政令指定都市に設置される。保健所や市町村等に対する技術指導・技術援助、保健所等の職員に対する教育研修、精神保健福祉に関する普及啓発・調査研究・相談、精神医療審査会や精神障害者保健福祉手帳及び自立支援医療に関する事務などを行う。
- 精神障害者保健福祉手帳制度によって外来通院の医療費の給付が行われる。
- 外来通院の医療費の給付は、自立支援医療によって行われる。
正解 3
- 住宅改修の検討
- Aさんの妻の介護負担の把握
- 肺炎予防に必要なケアの提供
- 誤嚥性肺炎で入院しており、その再発予防が最優先である。訪問看護師と介護支援専門員が連携してケアを行う。
- 訪問介護による生活援助内容の確認
【問題73】 訪問看護に関する制度について正しいのはどれか。
正解 4
- 平成12年(2000年)に老人訪問看護制度が創設された。
- 老人訪問看護制度は、平成4年(1992年)に創設された。
- サービスを開始するときに書面による契約は不要である。
- サービスを開始するときは書面による契約が必要である。
- 訪問看護ステーションの管理者は医師もしくは看護師と定められている。
- 訪問看護ステーションの管理者は看護師または保健師と定められている。ただし、健康保険法に基づく指定訪問看護事業のみを行うステーションの場合は、助産師も管理者になることができる。
- 介護保険法に基づく訪問看護ステーションの開設には都道府県の指定が必要である。
- 介護保険法に基づく訪問看護ステーションを開設するには都道府県からの事業者指定が必要である。
正解 4
- 訪問介護の利用を勧める。
- 家族全員の看取りの意思確認をする。
- 退院後の処置を習得するよう指導する。
- 相談にいつでも対応することを伝える。
- 家族は不安を感じている。いつでも相談できることを伝え、家族との相談体制をつくる。
正解 3
- 水分は経口による摂取を勧める。
- 球麻痺症状が出現しており、水分の経口摂取を勧めるのは適切ではない。
- 注入時間に生活パターンを合わせる。
- 生活パターンに注入時間を合わせる。
- 経口摂取中の体位は頸部前屈位とする。
- 頸部前屈位は誤嚥予防に適している。
- 胃瘻からの半固形化栄養剤の使用は禁止する。
- 半固形化栄養剤を使用することもある。注入時間の短縮、下痢やダンピング症状の防止になる。
【問題76】 災害派遣医療チーム(DMAT)の活動で最も適切なのはどれか。
正解 1
- 被災地域内での傷病者の搬送を行う。
- 災害派遣医療チーム(DMAT)とは、専門的訓練を受けた医師・看護師・業務調整員で構成され、大規模な災害発生時に災害急性期(概ね48時間以内)に活動できる機動性を持った医療チームである。現場での救急治療や医療搬送、病院支援などを行う。
- 外傷後ストレス障害(PTSD)に対応する。
- 長期の継続的な医療を行う。
- 被災地の復興を手助けする。
【問題77】 災害急性期に看護師が行う対応で最も適切なのはどれか。
正解 3
- 情報の発信を行う。
- 情報収集をしつつ救護活動を行う。
- 各自の判断で行動する。
- リーダーの指示に従って行動する。
- 災害現場の安全を確保する。
- 災害現場の安全を確保し、二次災害を防止する。
- 災害時の対応マニュアルの見直しをする。
- 災害時の対応マニュアルの見直しは静穏期に行う。
【問題78】 日本における政府開発援助(ODA)の実施機関として正しいのはどれか。
正解 1
- 国際協力機構(JICA)
- 国際協力機構(JICA)は、政府開発援助(ODA)の実施機関の一つで、発展途上国への技術協力や資金協力などを行っている。
- 世界保健機関(WHO)
- 世界保健機関(WHO)は、保健衛生分野の国際協力を目的とする国際連合の専門機関である。
- 国連開発計画(UNDP)
- 国連開発計画(UNDP)は、発展途上国が開発目標を達成できるよう支援する国際連合の専門機関である。発展途上国に対する技術援助や発展途上国が国際投資を受けるための事前調査などを行う。
- 赤十字国際委員会(ICRC)
- 赤十字国際委員会(ICRC)は、紛争犠牲者の保護を目的として人道支援活動を行う国際機関である。
正解 2
- 近所の病院
- 通訳のボランティア
- 女性は日本語が十分に話せず、看護師の質問も理解できない様子である。コミュニケーションを図るためにも、通訳が必要である。
- 児童相談所の児童福祉司
- 地区担当の母子健康推進員
正解 5
- うつ病
- 寝つきがよいことから、うつ病は考えにくい。
- 低血糖症
- 低血糖症状は、自律神経症状として空腹、冷汗、震え、動悸など、中枢神経症状として意識障害、けいれん、頭痛、イライラ感などがある。
- もやもや病
- もやもや病の病状は、けいれん発作、脳出血、片麻痺、頭痛などである。
- ナルコレプシー
- ナルコレプシーの症状には、日中の耐えがたい眠気や情動脱力発作がある。主に若年層にみられる。
- 睡眠時無呼吸症候群
- BMIからこの男性が肥満であることがわかる。肥満、ひどいいびき、仕事中の居眠り、起床時の頭痛、寝不足などから睡眠時無呼吸症候群が最も考えられる。
正解 5
- 糖尿病腎症は含まれない。
- 糖尿病腎症も含まれる。
- 病期分類の5期から蛋白制限が必要である。
- 一般的には3期から蛋白制限を行う。尿蛋白量が増えれば1、2期から行う場合もある。
- 腎障害を示す所見が1週間持続すれば診断できる。
- 腎障害を示す所見が3か月以上持続すると診断される。
- 糸球体濾過量(GFR)の低下は診断の必要条件である。
- 慢性腎臓病は、蛋白尿などの腎障害、糸球体濾過量(GFR)60ml/分/1.73m2未満の腎機能低下のいずれか、または両方が3か月以上持続している状態とされている。糸球体濾過量(GFR)の低下は必要条件ではない。
- 病期の進行とともに心血管疾患のリスクも高くなる。
- 病期の進行とともに動脈硬化が進み、心血管疾患のリスクが高くなる。
正解 1,5
- レニン
- レニンは、腎臓の傍糸球体細胞から分泌され、血中のアンギオテンシノーゲンに作用し、アンギオテンシンI(AI)を遊離する。AIは血管内皮細胞膜にあるアンギオテンシン変換酵素(ACE)によりアンギオテンシンII(AII)に変換される。AIIは血管収縮作用があり、血圧を上昇させる。また、AIIは副腎にも作用してアルドステロンの生成・分泌を促進させ、血圧を上昇させる。
- インスリン
- インスリンは、膵臓のランゲルハンス島から分泌されるペプチドホルモンである。筋肉、脂肪組織ではブドウ糖の細胞内への取り込みを促進し、肝臓ではグリコーゲン合成を促進して血液中へのブドウ糖放出を抑制する。その結果、血糖値を低下させる。
- カルシトニン
- カルシトニンは主に甲状腺で産生されるホルモンで、骨の構成成分であるリン酸とカルシウムの、骨への沈着を促進し、血液中のカルシウム濃度を低下させる。
- ソマトスタチン
- ソマトスタチンは、膵臓のランゲルハンス島、脳の視床下部、消化官の内分泌細胞などから分泌されるホルモンである。インスリンやグルカゴンの分泌抑制、成長ホルモンの分泌抑制などの作用がある。
- ノルアドレナリン
- ノルアドレナリンは、神経伝達物質の一種で、副腎髄質から分泌される。α受容体に対しての親和性は高く、α作用による血管平滑筋の収縮が起こり、血圧を上昇させる。なお、ノルアドレナリンはβ1受容体にも作用するが、β2作用はほとんどない。
正解 3,4
- 感覚系上行路の中継核
- 感覚系上行路の中継核は視床である。
- 長期記憶の形成
- 長期記憶の形成は大脳の機能である。
- 摂食行動の調節
- 摂食行動の調節は視床下部の機能である。
- 飲水行動の調節
- 飲水行動の調節は視床下部の機能である。
- 姿勢の調節
- 姿勢の調節は中脳の機能である。
正解 1,5
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、皮膚や鼻腔、咽頭などに存在する常在菌で、日和見感染症の起炎菌である。
- インフルエンザ菌
- インフルエンザ菌は、特に小児において、中耳炎や副鼻腔炎、髄膜炎、敗血症、喉頭蓋炎などの原因となる。
- A群溶連菌
- A群溶連菌は、咽頭炎、扁桃腺炎などの上気道感染症や膿痂疹などの皮膚感染症の原因となる。合併症としてリウマチ熱や急性糸球体腎炎を引き起こすこともある。健康な人も感染する。
- 髄膜炎菌
- 髄膜炎菌は髄膜炎の起炎菌で、健康な人も感染する。また、髄膜炎菌感染症では敗血症がみられることがある。
- 緑膿菌
- 緑膿菌は、環境中に存在する常在菌で、日和見感染症の起炎菌である。
【問題85】 予防接種法において定期予防接種の対象となっている疾患はどれか。2つ選べ。
正解 1,3
- 結核
- 結核予防ワクチン(BCG)の接種は、生後1歳に至るまで(標準的接種期間は生後5か月〜8か月)に1回行うこととされている。
- 水痘
- 風しん
- 麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)による、第1期(生後12〜24か月)、第2期(小学校就学前1年間)の2回接種を行うこととされている。
- B型肝炎
- 流行性耳下腺炎
【問題86】 患者の権利について適切なのはどれか。2つ選べ。
正解 1,3
- 患者は自分の医療情報を見ることができる。
- 自分の医療情報を見ることができる。
- 患者は一度同意した治療方針を拒否できない。
- 一度同意した治療方針でも拒否することができる。
- 患者はセカンドオピニオンを受けることができる。
- セカンドオピニオンを受けることができる。
- 患者が病室に不在の場合は検査の同意を家族から得る。
- 検査の同意は本人から得る必要がある。
- 患者情報は患者と家族の同意なく保険会社に開示できる。
- 原則として患者本人の同意なく開示することはできない。
正解 4,5
- 高蛋白食とする。
- 肝硬変の非代償期では、アンモニアの発生を抑制するために低蛋白食とし、肝性脳症を防止する。
- 塩分は制限しない。
- 腹水が認められているので、塩分は制限する。
- 食物繊維を控える。
- 便秘を予防してアンモニアの発生を抑制するために、食物繊維は積極的に摂取する。
- 固い食品を控える。
- 食道静脈瘤の再出血を招く恐れがあるため、固い食品は控える。
- 辛い香辛料を控える。
- 食道静脈瘤がある場合は、刺激の強い食品は控える。
【問題88】 小児の痛みについて正しいのはどれか。2つ選べ。
正解 3,5
- 新生児の痛みを把握する指標はない。
- 新生児の痛みは、表情や啼泣状態、身体の動きなどで評価する。
- 薬物療法よりも非薬物療法を優先する。
- 薬物療法と非薬物療法を併用する。
- 遊びは痛みに対する非薬物療法の1つである。
- 遊びによって痛みを軽減させることができる。非薬物療法の1つである。
- 過去の痛みの経験と現在の痛みの訴えには関係がない。
- 過去の痛みの経験は現在の痛みの訴えに影響する。
- 3歳ころから痛みの自己申告スケールの使用が可能である。
- 3歳ころからフェイススケールなどの痛みの自己申告スケールを使用することができる。
【問題89】 思春期の続発性無月経について正しいのはどれか。2つ選べ。
正解 1,3
- ストレスが誘因となる。
- 精神的ストレスは続発性無月経の誘因となる。
- 乳房の発育は認められない。
- 乳房の発育は認められる。
- 急激な体重の増減と関連する。
- 急激な体重減少は続発性無月経の誘因となる。
- 妊娠を希望するまで治療対象にならない。
- 無月経期間が長くなると重症化するため、妊娠の希望の有無に関わらず早期の治療が必要である。
- 診断基準の1つとして5か月以上の月経停止がある。
- 続発性無月経は、それまであった月経が3か月以上停止している状態をいう。
正解 1,2
- 服薬管理の支援を行う。
- 物忘れがあるため、服薬管理の支援が必要である。
- 水分の摂取状況を把握する。
- 高血圧症がある高齢者であり、水分の摂取状況を把握することは重要である。
- 入浴は控えるよう助言する。
- 入浴を控える必要はない。
- Aさんの長女に同居を勧める。
- 長女は他県に住んでおり、同居は困難である。
- 1人で買い物に行かないように助言する。
- 1人で暮らしており、自立した生活を送るためにも制限するのは適切でない。