第103回看護師国家試験一般問題・状況設定問題解説(午後問題26〜48)
正解 2
- 厚く強い外膜で覆われる。
- 食道壁は薄い外膜で覆われている。
- 粘膜は重層扁平上皮である。
- 粘膜は厚く強い重層扁平上皮である。
- 胸部では心臓の腹側を通る。
- 胸部では心臓の後方を通る。
- 成人では全長約50cmである。
- 成人では全長約25cmである。
正解 1
- DNAは体細胞分裂の前に複製される。
- DNAは体細胞分裂の前に複製されて2倍になる。
- DNAは1本のポリヌクレオチド鎖である。
- DNAは2本のポリヌクレオチド鎖である。
- DNAの遺伝子情報からmRNAが作られることを翻訳という。
- DNAの遺伝子情報からmRNAが作られることを転写という。
- RNAの塩基配列に基づきアミノ酸がつながることを転写という。
- RNAの塩基配列に基づきアミノ酸がつながることを翻訳という。
正解 1
- 脱分極が閾値(いきち)以上に達すると発生する。
- 脱分極が閾値を超えたときに活動電位が発生する。
- 細胞内が一過性に負(マイナス)の逆転電位となる。
- 細胞内は通常、負の電位(静止電位)を有している。これが一過性に正(プラス)の逆転電位となる。
- 脱分極期には細胞膜のカリウム透過性が高くなる。
- 脱分極期には細胞膜のナトリウムチャネルが開き、ナトリウム透過性が高くなる。
- 有髄神経ではPurkinje(プルキンエ)細胞間隙を跳躍伝導する。
- 有髄神経ではランヴィエ絞輪を跳躍伝導する。
正解 2
- 顔面神経 ――― 顔の感覚
- 顔面神経は、主に表情筋の運動を支配している。
- 舌下神経 ――― 舌の運動
- 舌下神経は、舌筋を支配し、舌の運動を司る。
- 動眼神経 ――― 眼球の外転
- 動眼神経は、外側直筋と上斜筋以外の眼筋を支配し、眼球運動にかかわる。眼球の外転にかかわるのは、外側直筋を支配する外転神経である。
- 三叉神経 ――― 額のしわ寄せ
- 三叉神経は、顔面の知覚と咀嚼運動を支配している。額のしわ寄せにかかわるのは、顔面神経である。
正解 2
- 酸素を運搬する。
- 酸素を運搬するのは赤血球である。
- 貪食作用がある。
- 白血球の一種である好中球やマクロファージは、進入した細菌や異物などを貪食する。
- 骨髄で破壊される。
- 骨髄の造血幹細胞が分化し、作り出される。
- 血液1μl中に10万〜20万個含まれる。
- 白血球は通常、血液1μl中に4000〜9000個ほど含まれる。
【問題31】 降圧利尿薬により血中濃度が低下するのはどれか。
正解 1
- ナトリウム
- 利尿薬によって水分と共にナトリウムも排泄されるため、血中濃度が低下する。
- 中性脂肪
- 水分量の低下によって血中濃度は増加する。
- 尿酸
- 水分量の低下によって血中濃度は増加する。
- 血糖
- 水分量の低下によって血中濃度は増加する。
正解 1
- 腺癌は小細胞癌より多い。
- 腺癌はわが国で最も発生頻度が高い組織型である。
- 女性の肺癌は扁平上皮癌が多い。
- 女性の肺癌は腺癌が多い。扁平上皮癌は男性に多い。
- 腺癌は肺門部の太い気管支に好発する。
- 腺癌は肺の末梢部に好発する。扁平上皮癌や小細胞癌は肺門部に好発する。
- 扁平上皮癌の腫瘍マーカーとしてCEAが用いられる。
- 扁平上皮癌の腫瘍マーカーにはCYFRAやSCCが用いられる。
正解 2
- 肝腫大
- 右心不全の症状である。
- 呼吸困難
- 左心不全では、肺うっ血による呼吸困難や心拍出量低下による血圧低下、チアノーゼなどがみられる。
- 下腿浮腫
- 右心不全の症状である。
- 頸静脈怒張
- 右心不全の症状である。
正解 1
- 滑膜炎
- 関節リウマチでは、滑膜炎が起こって滑膜細胞が増殖し、骨や軟骨の破壊、関節変形などをもたらす。
- 骨髄炎
- 骨軟骨炎
- 関節周囲炎
正解 3
- 筋肉の障害に起因する。
- 重症筋無力症は、神経筋接合部においてアセチルコリン受容体が自己抗体に破壊されることで、筋肉の易疲労性や筋力低下が起こる自己免疫疾患である。
- 手術療法は甲状腺摘出である。
- 手術療法は胸腺摘出術である。
- 特徴的な症状は眼瞼下垂である。
- 眼瞼下垂や複視が特徴的な症状である。
- クリーゼが発症した時は抗コリンエステラーゼ薬を投与する。
- コリン作動性クリーゼの場合は、抗コリンエステラーゼ薬の投与を中止する。また、クリーゼ発症時は、人工呼吸器を使用して呼吸管理を行うことが必要である。
正解 4
- 目的は障害者の保護である。
- 目的は障害者の自立及び社会参加の支援等である。(障害者基本法第1条)
- 障害者の日が規定されている。
- 障害者の福祉についての関心と理解を深め、障害者があらゆる分野の活動に積極的に参加する意欲を高めるために障害者週間が制定されている。尚、障害者週間は、12月3日から12月9日までの1週間である。(障害者基本法第7条)
- 身体障害と知的障害の2つが対象である。
- 対象は身体障害、知的障害及び精神障害である。(障害者基本法第2条)
- 公共的施設のバリアフリー化の計画的推進を図ることとされている。
- 国及び地方公共団体は、障害者の利用の便宜を図ることによって障害者の自立及び社会参加を支援するため、自ら設置する官公庁施設、交通施設、その他の公共的施設について、障害者が円滑に利用できるような施設の構造及び設備の整備等の計画的推進を図らなければならない。(障害者基本法第21条)
【問題37】 外来で患者の血液が付着したガーゼを処理する取り扱いで正しいのはどれか。
正解 4
- 産業廃棄物
- 産業廃棄物は、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック、ゴムくず、金属くず等である。
- 一般廃棄物
- 一般廃棄物は、産業廃棄物以外の廃棄物である。
- 感染性産業廃棄物
- 感染性産業廃棄物は、医療機関等から排出される使用済み注射針などの感染性病原体を含む又はそのおそれのある産業廃棄物である。
- 感染性一般廃棄物
- 感染性一般廃棄物は、医療機関等から排出される血液の付着したガーゼなどの感染性病原体を含む又はそのおそれのある一般廃棄物である。
【問題38】 社会福祉に関係する職種とその業務についての組合せで正しいのはどれか。
正解 2
- 精神保健福祉士 ――― 精神障害者保健福祉手帳の発行
- 精神障害者保健福祉手帳は都道府県知事によって交付される。
- 介護支援専門員 ――― 居宅サービス計画の作成
- 居宅サービス計画(ケアプラン)の作成は、介護支援専門員(ケアマネージャー)の業務である。
- 介護福祉士 ――― 生活保護の認定
- 生活保護の認定を行うのは福祉事務所である。
- 社会福祉士 ――― 要介護度の認定
- 介護認定審査会の判定に基づき、市町村が要介護認定を行う。
【問題39】 がんの告知を受けた患者の態度と防衛機制の組合せで正しいのはどれか。
正解 4
- がんのことは考えないようにする ――― 投射
- 投射とは、自身の持つ感情を他者へ差し向ける、他人のせいにしようとする防衛機制である。
- がんになったのは家族のせいだと言う ――― 抑圧
- 抑圧とは、不安や欲求を意識から排除し、無意識の中に閉じ込めようとする防衛機制である。
- 親ががんで亡くなったので自分も同じだと話す ――― 代償
- 代償とは、欲求を本来のものとは別の対象に置き換えることで充足しようとする防衛機制である。
- 通院日に来院せず、家でゲームをしていたと話す ――― 逃避
- 逃避とは、目の前の現実に対して目を背け、乗り越えるべき不安や苦痛から逃れ避けようとする防衛機制である。
【問題40】 カウンセリングの基本的態度で適切なのはどれか。
正解 3
- 同情
- 指導
- 受容
- カウンセリングの基本的態度で必要なのは、受容や傾聴、共感的理解である。
- 評価
正解 4
- 環境の影響を受ける。
- 学習は環境の影響を受ける。
- 報酬によって強化される。
- 学習は報酬によって強化される。
- 永続的な行動の変容である。
- 学習は永続的な行動の変容である。
- 情報の一時的な獲得である。
- 情報の一時的な獲得は学習とはいえない。
【問題42】 異常な呼吸音とその原因の組合せで正しいのはどれか。
正解 1
- 連続性副雑音 ――― 気道の狭窄
- 気道の狭窄では、連続性副雑音が聴かれる。
- 断続性副雑音 ――― 胸膜での炎症
- 気道での分泌物貯留時では、断続性副雑音の水泡音が聴かれる。
- 胸膜摩擦音 ――― 肺胞の伸展性の低下
- 胸膜での炎症では、胸膜摩擦音が聴かれる。
- 捻髪音 ――― 気道での分泌物貯留
- 間質性肺疾患では、断続性副雑音の捻髪音が聴かれる。
【問題43】 経鼻経管栄養法の実施方法とその目的の組合せで正しいのはどれか。
正解 2
- 注入前に胃内容物を吸引する ――― 消化の促進
- 注入前に胃内容物を吸引するのは、チューブが確実に挿入されているかを確認するためである。
- 注入中はFowler(ファウラー)位にする ――― 逆流の防止
- 逆流防止のため、注入中はファウラー位にする。
- 注入終了後に微温湯を流す ――― 誤嚥の予防
- 注入終了後に微温湯を流すのは、チューブ内の残渣によって腐敗や閉塞が起こるのを防ぐためである。
- 注入終了後はチューブを閉鎖する ――― 嘔吐の予防
- 注入終了後にチューブを閉鎖するのは、逆流防止のためである。
【問題44】 気管内挿管中の患者の体位ドレナージの実施について適切なのはどれか。
正解 1
- 実施前後に気管内吸引を行う。
- 気管内挿管中では、自力での気道内分泌物の喀出が難しく、気管内吸引の適応となる。体位ドレナージを併用して痰の排出を促す。
- 体位ドレナージ後に吸入療法を行う。
- 排痰をしやすくしておくため、体位ドレナージ前に吸入療法を行う。
- 自分で体位変換できる患者には行わない。
- 体位ドレナージの目的や方法を説明し、積極的に行ってもらう。
- 創部ドレーンが挿入されている場合は禁忌である。
- 創部ドレーンが挿入されている場合は、抜去しないよう注意しながら行う。
正解 1
- 専用の輸血セットを使用する。
- 赤血球濃厚液の輸血では、赤血球輸血セットを使用する。
- 使用直前まで振盪(しんとう)させて使用する。
- 赤血球濃厚液は振盪させる必要はない。
- 使用直前に冷蔵庫から取り出して使用する。
- 使用前には医師・看護師で血液の色調変化やバッグの破損の有無などの確認を行う。通常の輸血では加温する必要はないが、急速大量輸血などの場合は、体温低下を予防するため加温する。
- 呼吸困難出現時は滴下数を減らして続行する。
- 呼吸困難出現時はただちに輸血を中止する。
【問題46】 地域連携クリニカルパスについて正しいのはどれか。
正解 4
- 診療報酬の評価の対象ではない。
- 診療報酬の評価の対象である。
- 市町村を単位とした連携である。
- 市町村を単位としたものではない。
- 記載内容は医師の治療計画である。
- 医師の治療計画だけではない。診療にあたる複数の医療機関における診療内容や病状の内容、治療経過などの記載に多職種が関わる。
- 医療機関から在宅まで継続した医療を提供する。
- 急性期から回復期、維持期まで継続した医療を提供する。
正解 4
- 気管内挿管を行う。
- 呼吸状態に異常はないため、気管内挿管の必要はない。
- 咽頭を刺激して吐かせる。
- 意識が低下しており、誤嚥の危険性がある。
- 胃酸分泌抑制薬を投与する。
- 胃酸分泌抑制薬を投与する必要はない。
- Aさんの母親にどんな薬を内服していたかを尋ねる。
- 大量服薬による急性中毒が疑われており、まずはどんな薬を内服していたかを確認する。
正解 3
- 仰臥位を保つ。
- 呼吸困難があるため、起坐位やファウラー位にする。
- 酸素投与は行わない。
- SpO2が低下し、呼吸困難があるため、酸素投与が必要である。
- モルヒネ塩酸塩の投与を検討する。
- 安静時でも呼吸困難を訴え、浅い頻呼吸となっており、モルヒネ塩酸塩の投与を検討する。モルヒネは疼痛コントロール以外に呼吸困難にも有効である。
- 安静を保つため訪室は最低限とする。
- 観察が必要であり、訪室は必要である。