第103回看護師国家試験一般問題・状況設定問題解説(午後問題49〜68)
正解 3
- 抗菌薬の変更
- 酸素投与量の増加
- 動脈血液ガス分析の実施
- 頭痛や傾眠の症状から高炭酸ガス血症が疑われる。CO2ナルコーシスを来たす可能性があるため、動脈血液ガス分析を実施する。
- 胸部エックス線撮影の実施
【問題50】 B型肝炎と比べたC型肝炎の特徴について正しいのはどれか。
正解 3
- 劇症化しやすい。
- 劇症化しやすいのはB型肝炎である。
- 性行為による感染が多い。
- 性行為による感染が多いのはB型肝炎である。C型肝炎は血液を介した感染が主である。
- 無症状のまま慢性化しやすい。
- C型肝炎は無症状のまま慢性化しやすく、肝硬変や肝臓癌へ移行することがある。
- ワクチン接種による感染予防対策がある。
- ワクチン接種による感染予防対策があるのはB型肝炎である。
正解 1
- 便秘
- 排便時の努責や浣腸は頭蓋内圧亢進を助長する。
- 酸素療法
- PaCO2の上昇やPaO2の低下は頭蓋内圧亢進を助長する。
- 浸透圧利尿薬
- 浸透圧利尿薬は頭蓋内圧を低下させる。
- Fowler(ファウラー)位
- 頭部を15〜30度挙上することで、脳の静脈還流を促進し、頭蓋内圧亢進を抑えることができる。
【問題52】 Aさん(42歳、男性)は、血尿を主訴に泌尿器科を受診した。診察の結果、Aさんは膀胱鏡検査を受けることになった。Aさんへの検査についての説明で適切なのはどれか。
正解 3
- 「入院が必要です」
- 入院する必要はない。
- 「前日は夕食を食べないでください」
- 前日の絶食は必要ない。
- 「局所麻酔で行います」
- 膀胱鏡検査は局所麻酔で行われる。
- 「終了後は水分の摂取を控えてください」
- 検査後は十分な水分摂取を促す。
正解 4
- 主治医に退院後の療養場所を決定してもらう。
- 長男夫婦にAさんの希望を尊重するよう話す。
- 長男夫婦に入所が可能な高齢者施設の情報を提供する。
- 長男夫婦がAさんの施設への入所を希望している理由を確認する。
- 本人が「家に帰りたい」と言っていることを知りながら、施設への入所を希望している理由をまずは確認する。
【問題54】 高齢者の蛋白質・エネルギー低栄養状態(protein-energy malnutrition:PEM)について正しいのはどれか。
正解 2
- 体脂肪の消耗はみられない。
- PEMでは、体脂肪や筋肉の消耗がみられる。
- 要介護度が高いほどPEMの発症率は高い。
- 低栄養の発生頻度は身体状況の低下とともに増加する。低栄養状態はADLの低下を招き、それがさらなる低栄養状態につながる。
- PEMの発症率は心疾患によるものが最も高い。
- PEMの主な原因は、加齢による口腔機能や嚥下機能の低下、食欲不振などである。
- 栄養指標は血清アルブミン3.7g/dl以下である。
- 低蛋白状態の指標は、血清アルブミン3.5g/dl以下である。
【問題55】 加齢による視覚の変化とその原因の組合せで正しいのはどれか。
正解 1
- 老視 ――― 毛様体筋の萎縮
- 老視は、水晶体の弾力低下、毛様体筋の萎縮によって、調整機能が低下することで起こる。
- 色覚異常 ――― 眼圧の亢進
- 視野狭窄 ――― 散瞳反応時間の延長
- 明暗順応の低下 ――― 水晶体の硬化
正解 4
- 「認知症の一種です」
- 認知症の一種ではない。
- 「昼間に起こりやすいです」
- 夜間に悪化することが多い。
- 「一度起こると治りません」
- 一時的に発生する状態である。
- 「環境の変化で起こることがあります」
- せん妄は、入院などの環境の変化によって起こることもある。
【問題57】 大腿骨転子部骨折のため人工骨頭置換術を行った。 術後の腓骨神経麻痺予防のための看護で適切なのはどれか。
正解 4
- 大腿四頭筋訓練を実施する。
- 大腿四頭筋訓練は筋力低下を防止するために行う。実施することで膝の安定性が増す。
- 患側下肢を外旋位に固定する。
- 患肢は軽度の外転、回旋中間位を保持する。
- 患側下肢に弾性ストッキングを着用する。
- 下肢に弾性ストッキングを着用するのは、深部静脈血栓症を予防するためである。
- 患側下肢の母趾と第2趾間の知覚異常の有無を観察する。
- 腓骨神経麻痺予防のため、腓骨神経支配である母趾と第2趾間の運動・知覚の観察を行う。
正解 4
- 都道府県が事業者を指定する。
- 事業所の指定は市町村が行う。
- 介護給付の施設サービスの1つである。
- 地域密着型サービスの1つである。
- 1日あたりの利用定員は19人以下である。
- 事業所の登録定員人数は25人以下、1日に利用できる通所サービスの定員は15人以下、宿泊サービスは9人以下である。
- 要介護者の状態に応じて短期間の宿泊が可能である。
- 小規模多機能型居宅介護では、通所(デイサービス)を中心に利用しながら、訪問(訪問介護)や宿泊(ショートステイ)を組み合わせてサービスを受けられる。
【問題59】 Aちゃん(3歳、女児)は母親とともに小児科外来を受診した。診察の結果、Aちゃんは血液検査が必要と判断され、処置室で採血を行うことになった。看護師の対応で適切なのはどれか。
正解 2
- 処置前、母親ひとりに採血の説明をする。
- 児本人にも説明することで、本人が主体的に検査に臨める。
- 坐位で行うか仰臥位で行うかをAちゃんに選ばせる。
- 対処行動を把握するためにも、自己決定を尊重する。
- 注射器に血液の逆流が見られた時に「終わったよ」とAちゃんに伝える。
- 騙すようなことをしてはいけない。また、児が動いてしまう可能性もあり、危険である。
- 処置後、Aちゃんと採血について話さないようにする。
- 家族とともに処置体験を振り返る。
【問題60】 正常に発達している小児が2歳0か月ころ、新たに獲得する言語で正しいのはどれか。
正解 1
- 「おちゃ、ちょうだい」
- 2歳になると、二つの単語からなる二語文が出てくる。
- 「おかしがないの」
- 「これ、なあに」
- 「まんま」
正解 3
- 冷罨法を行う。
- 刺激は避けた方がよい。
- 水平仰臥位を保つ。
- 嘔吐がみられており、水平仰臥位では誤嚥の危険性がある。
- 意識レベルを観察する。
- 髄膜炎では、発熱、頭痛、嘔吐、けいれん、意識障害、項部硬直、ケルニッヒ徴候、ブルジンスキー徴候などが出現する。
- 大泉門の状態を観察する。
- 乳児期の髄膜炎では大泉門の膨隆が認められるが、大泉門は1歳半頃までに閉鎖する。
【問題62】 食物アレルギーのある8歳の児童がアナフィラキシーショックを発症した場合の対応として適切なのはどれか。
正解 4
- 水分の補給
- 抗ヒスタミン薬の内服
- 副腎皮質ステロイドの吸入
- アドレナリンの筋肉内注射
- アナフィラキシーショックを発症した場合、血圧上昇作用や気管支拡張作用などがあるアドレナリンの筋肉注射が第一選択となる。
正解 2
- 今の状態では出席は難しいと話す。
- 出席できるように準備しようと話す。
- 本人は卒業式に出席することを希望しており、それを叶えられるようサポートしていく。
- 出席を決める前に体力をつけようと話す。
- 卒業式の前日に出席するかどうか決めようと話す。
【問題64】 妊娠中期から末期の便秘について適切なのはどれか。
正解 3
- 妊娠中期は妊娠末期と比較して生じやすい。
- 妊娠末期の方が生じやすい。
- エストロゲンの作用が影響している。
- プロゲステロン増加による腸管の運動量低下によって便秘が生じやすい。
- 子宮による腸の圧迫が影響している。
- 子宮増大による腸管の圧迫が影響している。
- けいれん性の便秘を生じやすい。
- けいれん性の便秘は、生活習慣の乱れや睡眠不足、精神的なストレスなどが原因となる。
【問題65】 正常な胎児の分娩機転について正しいのはどれか。
正解 2
- 分娩開始時、胎児の背中は母体の背側にある。
- 分娩開始時は、胎児は母体の側方を向いている。
- 後頭部が先進する。
- 陣痛が開始すると、児頭は顎を胸に接近させた屈位をとり、後頭部が先進する。
- 胎児の顔は母体の腹側を向いて娩出される。
- 胎児の顔は母体の背側を向いて娩出される。
- 肩甲横径が骨盤の横径に一致する方向で娩出される。
- 肩甲横径は骨盤の前後径に一致する。
正解 2
- 無菌室
- 新生児室は清潔保護区域であるが、無菌室である必要はない。
- 湿度は50〜60%
- 新生児室の湿度は50〜60%が適切である。
- 温度は27〜28℃
- 新生児室の温度は24〜26℃が適切である。
- コット間の距離は60cm
- コット間の距離は少なくとも60cm以上とする。
【問題67】 Aさん(50歳、男性)は、アルコール依存症のために断酒目的で入院した。入院前日の夜まで毎日飲酒をしていたと話している。入院当日に優先的に行うのはどれか。
正解 3
- 抗酒薬の説明を行う。
- 断酒会への参加を促す。
- 振戦の有無を確認する。
- 早期のアルコール離脱症状としては、振戦や発汗、焦燥感、痙攣発作、一過性の幻聴などが起こる。
- ストレス対処行動を分析する。
正解 1
- 解離
- 解離とは、受け入れがたい情報や感情が意識から切り離されることをいう。
- 昇華
- 昇華とは、反社会的な欲求や感情を、社会に受け入れられる価値ある行動へと置き換えることをいう。
- 合理化
- 合理化とは、自身が受け入れたくない現実に対して、自分に都合のいい理由を付けたり、他のものに責任転換することによって正当化しようとすることをいう。
- 反動形成
- 反動形成とは、抑圧された衝動や観念とは反対の態度や行動が表に出ることをいう。