面接・小論文対策
選考過程における面接や小論文。マニュアル通りの回答をする必要はありませんが、ある程度の事前準備は必要です。本番で慌てないためにもしっかり対策を立てておきましょう。
面接対策
<面接における評価のポイント>
病院によって評価するポイントは多少異なります。しかし、看護職は人と接する仕事であり、人の命を預かる仕事ですので、対人関係力や職務への意欲、責任感、人柄などは全ての病院が重点的に評価をするでしょう。いずれにしても、面接官に「一緒に働きたい」と思ってもらうことが大切です。質問には明るく、さわやかに、ハキハキと答えましょう。
<面接時の身なり>
スーツを着用し、髪は顔にかからないようにまとめておきます。化粧は控えめにし、アクセサリーの着用も避けましょう。実習中に実際に現場に出た時の格好を思い出し、看護師にふさわしい身なりで面接に臨みましょう。
<面接に遅刻しそうになったら>
万が一面接に遅刻しそうになった場合は、すぐに面接先に連絡を入れ、遅刻する旨、どのくらい遅れるかを伝えます。この時、確実に到着できる時間を伝えるようにしましょう。仮に10分遅刻しそうな場合は、「15分程遅れます」と伝え、遅刻を重ねることだけは避けましょう。
<入室から退室まで>
ノックをしてドアを開け、「失礼します」と軽く礼をして部屋に入ります。ドアを閉める時は、面接官にお尻を見せないようにします。椅子の横に立ち(できれば左側)、学校名もしくは勤務先名と氏名を言い、面接官の「おかけください」の声の後に着席します。面接中は、面接官の目を見てハキハキと話しましょう。体をそわそわと動かせたり、目線を泳がせたりしないようにします。面接終了後は、椅子の左側に立ち、「ありがとうございました」と言い、礼をします。ドアを開け、「失礼します」と軽く礼をして退室しましょう。
<面接での言葉遣い>
面接先の病院 | 口頭では御院(おんいん)、文書では貴院(きいん) | 御院を志望した理由は〜 |
言う | 申す | 私の性格を一言で申しますと |
見る | 拝見する | 御院のパンフレットを拝見しました |
もらう | いただく | お時間をいただきましてありがとうございます |
大丈夫 | よろしい | お伺いしてもよろしいでしょうか? |
「〜的」や「〜とか」などの学生言葉や「バイト」などの省略言葉はふさわしくありません。 くだけた言葉遣いがとっさに出てしまわないよう、前もって練習をしておきましょう。
<質問の内容が聞き取れなかったら>
質問が聞き取れなかったら「もう一度お願いします」と聞き直しましょう。質問に答えられない場合も、正直に「申し訳ありません。分かりません。」と答えて構いません。聞こえたふり、分かったふりをして適当に答えることはやめましょう。
<回答は履歴書と全く同じ内容で良いか>
面接官は事前に履歴書をチェックし、それを基に質問を用意します。履歴書と違う内容を話した場合、人物像が相手に正確に伝わらない可能性があります。履歴書と同じ内容を話し、さらにそこに肉付けするようにしましょう。そのためにも履歴書は予めコピーをとっておき、何を記載したかきちんと把握しておきます。また、丸々暗記して一言一句同じことを話すよりは、できる限り自分の言葉で話すようにしましょう。
<言いたいことをきちんと伝えるには>
頭の中で言いたいことをまとめていても、いざ本番になると緊張から上手く伝えられないことがあります。そうならないように、まずは一言二言で簡潔に述べ、その後に実体験などをまじえて具体的に話すようにしましょう。順序立てて話すことで、伝えたいことが明確になり、何を話そうとしているのか相手にも感じとってもらえます。
<併願先があるか聞かれたら>
就職活動において併願は普通のことであり、面接官も当然認識しています。併願していることを隠す必要はなく、正直に伝えましょう。
<面接でよく聞かれる質問>
「志望動機」 「目指す看護・看護師像」 「実習について」 「学校生活・趣味」 「ストレス解消法について」
「自己PR、長所・短所」 「看護の基礎知識」 「医療問題について」
<質問があるか聞かれたら>
たいていの面接では、最後に面接官へ質問する機会が与えられます。「特にありません」と答えても構いませんが、志望の熱意が疑われてしまうこともあります。せっかくの機会ですので、不明な点や気になる点があれば遠慮なく質問しましょう。
小論文対策
<小論文と作文の違い>
小論文とは、問われていることに対して「〜である」「〜と考える」という意見を述べ、その理由について論理的に説明されている文章のことです。「〜だと思う」など、ある体験や出来事から自分の心境や感想を述べたものは作文です。
<小論文における評価のポイント>
- 文章の内容がテーマに沿っており、テーマに対する自分の意見・考えがきちんと示されている。
- 課題に対する自分の意見や理由が筋道立てて説明されており、説得力がある。
- 知識や経験を基にした自分なりの問いや具体例、発想がある。
- 丁寧に書かれており、文の構成も簡潔で読みやすい。
- 自分の考えが表現されており、読み手にきちんと伝わってくる。
- 誤字・脱字、送り仮名や文法の誤り、熟語や慣用句の誤用がない。
<原稿用紙の使い方>
- 書き出し、段落の頭、改行した場合は、1マスあける。カギカッコで書き始める場合も、最初のマス目はあけて、2マス目にカギカッコを書く。
- 句読点や記号は1字とする。
- 句読点や記号が行頭にくることはなく、行末に入れる。
- 「―」や「…」は2マス分とる。中線は挿入・同格のときに使い、点線は省略を示す場合に使うが、乱用はしないようにする。
- アルファベットは、大文字の場合1マスに1字、小文字の場合は1マスに2字とする。
<小論文作成の主な注意点>
- 決められた字数の8割以上は必ず書くようにする。9割以上が望ましい。
- 一人称は「私」で統一する。
- 「だ・である体」と「です・ます体」は混用しない。
- 縦書きの場合、数字は漢数字を使用する。
- 「着れる」などの「ら」抜き言葉の使用は避ける。「着られる」「着ることができる」とする。
- 「思う」の多様は避ける。感想を述べる際に使うものであり、主張が弱くなってしまう。
- 文末を名詞で終わらせる「体言止め」や語順を逆にする「倒置法」は使用しない。
<過去に出題された主な論文テーマ>
- 「私の目指す看護師像について」
- 「私を成長させたこと」
- 「インフォームドコンセントと看護師の役割について」
- 「看護の信頼性」
- 「看護ケアにおける感染予防」
- 「実習で出会った目標とできる人」
- 「少子高齢社会においてあなたが看護師としてすべきこと」
- 「差額ベッド」
- 「私が考える看護とは」
- 「患者の立場に立った看護」
- 「あなたにとって友情とは」
- 「私の趣味について」
- 「好きな自分と嫌いな自分」